厚生労働省の東大卒若手官僚は3年ほど前、キャリア官僚として入省してくる内定者リストを見て驚いた。

「東大生の官僚離れが進んでいたとはいえ、ほんの少し前までは東大生が3~4割はいた。それがこの1~2年で一気に1~2割までに減っている」

この官僚は、厚労省の現状をこう嘆く。

「うちの省に入ってくるキャリア官僚は今や、東大・京大・早慶以外のMARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)レベルの卒業生が半数。正直、聞いたことがない大学の卒業生も入ってきている。東大以外からも学生を採って多様性を生かすとの側面もあるが、もはや早慶の学生にも避けられる省になっているのが実態だ」

一方、「キング・オブ・霞が関」とも言われる財務省においては、「財務省のキャリア入省者はまだ、7割くらいが東大生。外務省、警察庁など『五大省庁』は今でも東大生が大半だ」と現役の若手官僚は言うが、「東大生の官僚離れが進んで、年々、人材の質は明らかに劣化している。財務省ですらそうだから、他省ではもっと激しく質が落ちているだろう」とのことだ。