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地獄の朝食

もはや隠しようがなかった。彼の母は「それ、刺青?」と宮内さんに聞いた。宮内さんは「いえ、これは刺青ではなく、タトゥーです。ファッションというか、自己表現の一環で入れました」と弁明するも、その違いが伝わるはずもない。義母の顔がどんどんと青ざめていく一方で、宮内さんが隣に座っていた彼の父の方に向くと、鬼の形相で彼女のことをにらみつけていたという。

「彼のお父さんは『まさか、他にも入ってるんじゃないんだろうね』と聞いてきたので、正直に他のタトゥーのことを告げました。すると、『チカさんね、あなたみたいな半分外国人の子には分からないかもしれないがね、ここは日本なんだよ!』と声を荒げました。

義母も『悪いけど、やっぱりあなたたちの結婚は絶対に許しませんからね!一人息子の妻に刺青が入ってるなんて知れたら、恥ずかしくて暮らしていけない』と仏のような顔だった顔が鬼に変わっていました。彼はなんとか宥めようとしたが、両親は全く聞く耳を持ってくれませんでした」