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非タンパク質態窒素 ~キチン質について~

ケルダール法の欠点は、タンパク質由来ではない窒素(非タンパク質態窒素)が多く含まれている場合、正確なタンパク質の定量ができないことだ。

コオロギに含まれる、非タンパク質態窒素の代表が「キチン質」だ。
キチン質とは、エビやカニなどの甲殻類、コオロギなどの昆虫類の外骨格の主成分となる繊維である、キチン、キトサンの総称だ。
コオロギの中でも、特に食用としての利用頻度が高いヨーロッパイエコオロギには、キチンが4.3-7.1%, キトサンが2.4-5.8%含まれている。[2]
このキチン質が、コオロギのタンパク質含量過大評価に繋がっている可能性がある。

そこで、コオロギにも固有の窒素タンパク質換算係数の決定が必要である。

コオロギ固有窒素-タンパク質換算係数の決定
まずはコオロギのアミノ酸総量と、窒素量を求め、
そのアミノ酸総量を、窒素総量で割ることで、コオロギ固有の窒素-タンパク質係数を算出した。
コオロギ固有窒素-タンパク質換算係数
=アミノ酸総量(g/100 g)/窒素量(g/100 g)

結果として、コオロギ固有窒素-タンパク質換算係数は、
ヨーロッパイエコオロギが5.09、フタホシコオロギが5.00となった。
つまり、換算係数6.25で計算した場合、タンパク質を約25%過大評価している可能性があるのだ。

https://note.com/moon_b/n/n3c37689e1927