悩める侍の4番打者をメジャースカウトはどう見ているのか。

 日本が7―1で快勝したWBC1次ラウンド・オーストラリア戦(12日、東京ドーム)で、村上宗隆内野手(23=ヤクルト)は中飛、二ゴロ、空振り三振、左前打の4打数1安打。1次ラウンド4試合を14打数2安打(打率1割4分3厘)2打点、7三振、5四球で終えた。

 ネット裏のメジャースカウトはいう。

「同じ左打者で調子のいい近藤(健介=ソフトバンク)や吉田(正尚=レッドソックス)と比べると、一番の差は対応力だと思う。対戦相手がほぼ初見の投手である今大会を通して、近藤や吉田は限られた打席数の中でも必ず相手投手に対応してくる。対して村上は自分のゾーンに入ってこないと打てない。調子が悪いなりに対応するチャンネルを持っていない」

 そして、具体的な対応についてこう続けた。

「近藤や吉田は初見の投手に対して数球、その投球を見ただけでその投手の投球軌道に自分のスイング軌道を合わせられる技術を持っている。村上は調子がよければ(軌道を)一致させられるが、基本的に(投球軌道の)ラインを読むことに長けてはいない。タイプの違う相手投手の軌道に対して、自分のスイング軌道を点でしか合わせられていない」

 村上が将来、挑戦を夢見るメジャーの舞台では対戦球団の多さから、1シーズンに1度しか当たらない中継ぎ投手もザラにいる。初見の投手への対応力は、スカウト陣の厳しい評価ポイントでもある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4ddc6fcb704ccc40a5468364e25a96834f101371