0001それでも動く名無し
2023/03/25(土) 03:02:11.52ID:xqsCS3a80そうして最後に、ドラマは起きた。
訪れたクライマックスには、更なる可能性を秘めた彼の復活劇があったのだ。
「先生! 僕、甦りました!」
ピースサインを先生に向けながら、彼は微笑んだ。
ずっと待ってたわ、ボケ! アホ!
そう言おうとしたのに、声にならなかった。
「…泣いたらアカンすよ、笑って欲しいです」
「汗や、絶対泣いてへんわッ、ボケ…アホォ……」
自分でも分かってしまうほどに涙ぐんだ声をしている。素直にならなけばと瞼を拭って、先生は顔を上げた。
「お前も、泣きそうやないか……」
「泣いてないっす…」
彼の目は光っていた。気がつけば2人で涙を滲ませていたのだ。
おめでとうの言葉よりも先に、涙が溢れていた。