昨年11月、突き付けられた現実に心は揺れた。キャリアワーストの43試合出場に終わった6年目のシーズンを終え、覚悟はしていたが、いざ当事者になると様々な思いが交錯した。「中日は僕のプロ野球人生が始まったチームでもありますし、温かいファンの方々も多い。名古屋の街も好きだったので、最初は離れる寂しさもありました」。背番号1のユニホームは、本拠地のスタンドでよく見かけた。チームの顔のひとりが放出されることに、賛否があるのは確かだった。

 ネット上に溢れる声は、京田の目にも入ってきた。球団の方針を批判する意見に、申し訳なさも感じた。自らの未熟さもトレードに至った一因であることは分かった上で、改めて“真意”を考える。

「追い出されたとは思っていません。違うところでもう一度頑張ってほしい、お前ならまだできるだろうという球団側の思いだったと受け止めています」

 なによりトレードの成否を決めるのは、これからの自分次第。「周りを納得させるのは、結果だと思うんで。結果が全てのスポーツですし、後悔したくはない」。三塁だろうが、一塁だろうが、言われればどこでもやる。今が、プロ人生の分岐点。横浜の地に、必死にしがみついてみせる。
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