大分市の向陽中1年、近藤若菜さん(13)が今月、実用英語技能検定(英検)1級に合格した。日本英語検定協会によると、中1での最高位合格は全国的にも非常に珍しいという。「私以上に家族が喜んでくれた。もっと頑張ろうと意識が高まった」と話している。
 英検は4技能が問われる。1次はリーディング(読む)、リスニング(聞く)、ライティング(書く)。2次は面接でスピーキング(話す)を審査する。
 1級は大学上級程度とされる。英語力だけなく、医療や科学技術、ビジネス、政治といった社会的知識が必要。自分の意見を伝える発信力も求められる。合格者数や年齢などは非公開だが、同協会は「中学生で1級に合格したのは相当な努力の結果」と驚く。
 小2の時、医師の父が英国オックスフォード大に研究留学することになり家族4人で渡英。現地の小学校に2年間通い、本場の英語に触れた。「いろんな国籍のクラスメートがいて、英語を使えば世界中の人と話すことができると実感した。英語が大好きになった」
 小4で高校卒業レベルの2級に合格。大分に戻ってからも語彙(ごい)力を磨き、小6で準1級に合格した。向陽中に進学後、1級に挑んだが、不合格が続いた。受検をためらっていると、母に「やって何も損はない」と背中を押された。
 英検1カ月前は1日3時間学習。定期テストの勉強やアーチェリーの部活動にも励んだ。同校や、隣接する大分東明高の英語教諭からサポートを受け、3回目の挑戦で頂にたどり着いた。
 向陽中の伊藤久美子教諭は「授業や課題も手を抜かず、英字新聞も読んでコツコツとひたむきに努力する。それが1級合格の下地になった」と評価。
 さらに高い点数が取れるよう定期的に1級を受検するという。夢は外交官。「英語力を高め、世界中の人に会い、さまざまな課題を解決したい。未来の自分のため全力で取り組みます」と前を向いた。
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