「凄いよ。チェコに到着したら、僕が予想するよりもはるかに多くのジャーナリストとかメディアが僕らを待っていたんだ」
 そう語ったのは、去る3月21日に幕を閉じたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場したチェコ代表投手のオンジェイ・サトリアだ。
世界一となった日本代表だけでなく多くの国に興奮を提供した一大トーナメントにあって、初出場を飾ったチェコ。文化の根付いていない同国でも、この春は野球が小さくないフィーバーとなった。


日本戦で大谷翔平から三振を奪うなど、緩急をつけたピッチングで強力打線を翻弄した右腕は、自身の夢について包み隠さずに語った。
「僕はチェコの小さな池で満足はしている。別にメジャーリーグに行きたいとかって目標はない。現時点でそれが僕のできるすべてだからね。だけど、日本の雰囲気はとても気に入った。だから、メジャーではなく日本のプロリーグに挑戦してみたい気はしているよ。彼らの野球に惹かれたんだ」

 最後に「この大会をキッカケに、チェコの野球が変わっていけたら嬉しいね。とにかく若い人たちにチャンスを与えてほしい」とも訴えたサトリア。26歳の軟投派右腕にとって、WBCと日本で培った経験は自身の野球観を変えるほど壮大なものになったようだ。