無名の道産子右腕に日本ハムが熱視線-。日本ハムが2023年から本拠地とする北広島に、硬式と軟式の二刀流に挑戦中の投手がいる。社会人野球クラブチーム・ウイン北広島のエース右腕・早川太貴投手(23、北広島市役所)だ。22年8月のJABA北海道結成記念大会で、企業チームの日本製鉄室蘭シャークス打線を九回途中まで無失点に抑える快投を披露。さらに、同年9月には、北広島市職労の投手として、軟式野球・全日本自治体職員等野球選手権大会で準優勝に貢献。22年12月には自己最速を更新する150キロをマークした。伸びしろ十分な本格派右腕に、地元・日本ハムのスカウトも注目し始めた。

 22年春、北広島市役所に就職。毎日、日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」を見上げながら通勤する。大勢のファンが詰めかけているが「僕は行かないって決めた。プロになってから。もちろん行きたいのはファイターズですし、みんな応援してくれると思うんですけど、選んでくれるところが他にあるなら。(プロ入りは)ちっちゃい頃からの夢だったので、どこでも行きます」。公務員からのプロ入りは、1971年に相模原市役所からドラフト外で大洋(現DeNA)に入団した高木由一氏のケースがあるが、もし指名されれば北海道関連選手では初の快挙だ。