2017年には、国務院(内閣府に相当)の「カルト問題防止処理室」が「中国反邪教網(中国反カルトネット)」を創設。中国国内外のカルト教団について危険性を指摘し、啓発を行っている。

中国反邪教網を見ると、統一教会は2017年時点ですでに危険視されており、5つの危険性を指摘していた。

1 性的な乱交
文鮮明は「血分け」の儀式として女性信徒とセックスをすることで、「血液が浄化される」としている。男性信徒は、「浄化された女性(=文鮮明と性交経験のある女性)」とセックスをすることで、純潔を得られるという。

2 めちゃくちゃな結婚
1960年から信徒のために「祝福」と称して教会が指定した相手と強引に結婚させている。彼らの協議によると、結婚の唯一の目的は原罪のない子供を産み育て、「神の世界」を拡大させることにあるという。

教会内で仲間として認められるためには、大変な労力が必要となるらしい。

3 信徒に求める「献身」
「統一原理」を聞き、「修練界」に参加し、7日間の断食を行うことで、「食口(シック、仲間)」と認められる。40日間の「開拓伝道」を行い、無一文の状態となって人々に「統一原理」を説き、3人の信者を新たに入会させることで、「献身者」と認められる。

山上容疑者の一家が苦しめられた「献金」についても触れていた。

4 信者の血と汗を騙し取る
信者は直近3年間の収入をすべて寄付し、その後も収入の10分の1を教会に納めなくてはならない。過去の「罪」を償うためだという。文鮮明は大量の財産をビジネスに投資しており、一家はボロ儲けをしている。アメリカ・日本・韓国で合計26億ドルを所有しているという。

脱会は容易ではないという。

5 信者への洗脳
統一教会はキリスト教を歪曲・改造するだけでなく、東洋の神秘主義信仰も織り交ぜている。文鮮明は幼少期から超視能力があると自称しており、神や霊魂と交流ができるという。信者が教会からの離脱を試みると、「サタンに呪われる」などと言われ、脱会を阻止される。