とある精神病院に二人の男がいた
ある晩二人はもうこんな場所にはいられないと腹をくくった 
脱走することにしたんだ
それで屋上に登ってみると狭い隙間のすぐ向こうが隣の建物で
さらに向こうには月光に照らされた夜の街が広がっていた
自由の世界だ!
で、最初の奴は難なく飛んで隣の建物に移った
だがもう一人の奴はどうしても跳べなかった
そうとも
落ちるのが怖かったんだ
その時最初の奴がヒラメいた
奴ぁ言った
「おい、俺は懐中電灯を持ってる! この光で橋を架けてやるから歩いて渡って来い!」
だが二人目の奴ぁ首を横に振って怒鳴り返した
「てめぇ、オレがイカれてるとでも思ってんのか!」


「どうせ途中でスイッチ切っちまうつもりだろ!」