バン・トラックの中古取引では世界一の規模…栃木県小山市で「億」を動かすパキスタン人が次々と生まれたワケ
1日に3800台をさばくオークション会場の存在感

そしてこの街で存在感を見せているのは、パキスタン人なのである。栃木・北関東の中古車市場に食い込み、小山では一大勢力となっている。

だから小山会場を歩いているのも、かなりの部分がパキスタン人だ。真っ白な民族服シャルワール・カミース姿も多い。オークション開催の日ともなれば他県からもパキスタン人がやってきて、彼らが運んでくる車で小山市内は混み合う。

当然、腹ごしらえをする場所もたくさんあって、この街では本格的なパキスタン料理が食べられるのである……なんてことを教えてくれるのは、比呂啓さんだ。

友人の映像ディレクターである。ふだんから僕と同様に「日本の中の異国」をテーマに取材をしている、いわば同志といえよう。よく一緒に外国人コミュニティを訪ね歩いているのだが、彼はとりわけパキスタンに強い。

前パキスタン大使とも親しく、ディナーに誘われるくらい在日パキスタン人社会の中に入り込んでいる。だからパキスタン人の集住する小山は、比呂さんにとっていわば「ナワバリ」なのである。彼の仲介があったから、アライオートオークションの見学も許可されたというわけだ。

日本一の中古車オークション会場
「この会場には、モスクを建設する計画もあるんですよ」

小さな礼拝所ではなく、しっかりしたモスクを建てるのだという。それだけ敷地は広大だ。

https://president.jp/articles/-/68593?page=2