「優勝しか狙わない」「開幕して20試合、すべて勝つつもり。精神的にはきついと思うけど、乗り越えたら勢いに乗っていくチーム。必ずやりますよ」と、V宣言まで飛び出した。

 しかし、結果は20試合で6勝14敗と、スタートダッシュどころか、いつの間にか定位置の最下位に沈んでいる――。

 今季の日ハムは、“負けられない” はずだった。念願の新球場・エスコンフィールドのお披露目の年だからだ。

「メジャーの球場を思わせる多目的の新球場は、まさにボールパーク。もの珍しさもあって最初は客の入りもよかったです。しかし、成績が振るわなくなると同時に、観客動員数も徐々に落ちていきました。

 エスコンフィールドでおこなわれた4月15・16日の土日の西武戦は、デーゲームとあって、日ハム関係者は大入りを期待していました。ところが、ともに2万人台前半と、満員にはほど遠い客入りでした。

 さらに19日のロッテ戦では1万5816人。球場がきれいで広いだけに、余計に空席が目立ってしまいました。弱いうえに客も集まらない。日ハム関係者は、この現状に大いに頭を痛めています」(担当記者)

 観客動員数は、この数年で常に球団の課題だった。日本一に輝いた2016年は207万8981人と、初めて200万人を突破。翌年も微増し、パ・リーグでの人気を確立した。

 ところが、成績が落ちてくると、毎年のように200万人を下回る。昨年は、新庄という “劇薬” を投入したものの、離れた客は戻ってこず、観客動員数は129万1495人まで落ち込んだ。

 前出の記者が続ける。

「新庄が新監督になって、ド派手なパフォーマンスなど多くの話題を提供しましたが、客は戻りませんでした。ファンは何より、勝つところが見たいんですよ。新庄監督には絶望しています」

 しかしスポーツ紙デスクは、この “惨状” を新庄監督ひとりに背負わせるのは酷だという。

「やはり、2012年から2021年まで10年間監督をやった栗山英樹前監督がいちばんの原因ですからね。栗山監督は10年間でリーグ優勝2回、日本一を1回と、久々に日ハムにタイトルをもたらしました。

 ですが、2016年の日本一を最後に成績は落ち、最後の3年間は連続して5位でした。本来ならもっと早く監督を辞任してもおかしくない成績なのですが、球団は “2016年の栄光” を忘れられず、解任できなかったんです。

 栗山前監督は結果が出なかったとき、必ず『優勝を逃して申し訳ないけど、来年は鬼になります』と言い続けました。ファンの間では “オオカミ少年” なんて嬉しくないあだ名がついたばかりか、ネット上では当時、『解任しろ!』『栗山が監督でいる限り見に行かない』といった書き込みが多くありました」

 昨年から戦力的にたいした上積みもないばかりか、長年主軸を務めた近藤健介がFAでソフトバンクに移籍。このままでは2年連続の最下位も現実味を帯びてきた。

「このまま低迷が続けば、新庄監督の途中解任もありえます。となると、次は稲葉篤紀スポーツ・コミュニティ・オフィサー(SCO)の昇格が既定路線ですが、話はそう単純ではありません。