https://www.ndw.jp/mario-interview-230425/4/

Q 日本での公開前から世界で大ヒットしていることが報道されていますが、今の率直な気持ちを教えてください

宮本:
もう、ラッキーそのものです。本当に。
世の中に、良いモノはごまんとあるけど、気が付いてもらえるものは僅かしかないと思っているんです。

とくにこれだけネットで情報が流れるようになると、映像でもなんでも、ほとんどが埋もれる。で、埋もれるところで、選んでもらうっていうのが任天堂の歴史やって。埋もれないようにするっていうことが、どれくらいできるのかですね。

あまり良くない言葉ですが、「猫も杓子も」という言葉がありまして。任天堂って、やっぱり猫も杓子もっていう状態を何回経験するかで。それって、年に1回でも多いぐらいなんですね。
だから、何年かに1回はそういう経験をしたいなと思って、そのためにみんな働いていると思ったほうがいい、…っていうことを、新入社員研修でも言うんです(笑)。

宮本:
ただ、今回、騒いでもらえるかもしれないという手応えはあったんです。
「スーパー・ニンテンドー・ワールド」のオープニングをハリウッドでしたんですけど、そのときの熱量がすごくて。
その次の日には、パークにくる人のほとんどが「スーパー・ニンテンドー・ワールド」に入るために来ていると言われたり、マリオカートに3時間並んだりとか。
考えられないですよ。日本じゃ当たり前ですけど、アメリカのパークで3時間も並ぶというのは。それが起こっていて、すごい熱量を感じたんですね。

だから映画もいけるんじゃないかという期待はしていたんですけど、蓋を開けてみて想像以上だったことには驚いています。
何か幸運が手伝わないと、なかなかここまでにはならないですよね。

しかも、海外の評論家がけっこう低い評価をつけているんですよ。そういうところも話題性につながったと思います。映画の定義が変わったとか言ってもらえたら嬉しいなと。それぐらい幸運でした。