NHK大阪放送局は26日、23年度後期連続テレビ小説「ブギウギ」の撮影中、重要文化財に指定されている滋賀県東近江市の百済寺の一部を破損したと発表した。


 NHKによると、「ブギウギ」のロケを百済寺の許可を得て行う中、25日午後3時すぎ、本堂の濡れ縁で撮影のリハーサルを始めた直後、濡れ縁の床板を支える木材が折れ、縁の板が一部はずれたという。百済寺は606年(推古14年)に聖徳太子の勅願により創建された近江最古の寺院。金剛輪寺、西明寺とともに湖東三山の1つとして知られる。本堂は国の重要文化財に指定されており、ロケは直ちに中止となった。NHKは百済寺に謝罪し、関係機関に報告した。出演者、関係者にけがはなかった。

 NHKは「貴重な文化財を破損したことを深くお詫びいたします。関係機関の指導に従い、修復等に適切に対応してまいります。改めて文化財の保護を徹底します」と謝罪した。

 「ブギウギ」は戦後の歌手で「ブギの女王」といわれた笠置シヅ子さん(85年、70歳で死去)がモデル。ヒロイン・花田鈴子を女優・趣里(32)が務める。NHK大阪放送局(大阪市中央区)で3月24日にクランクインした。

 NHKでは昨年4月、関連団体「NHKテクノロジーズ」が和歌山県高野町のテレビ中継放送所の設備更新工事の際、許可を得ず世界遺産「高野参詣道女人道」の参道に土のうを設置し、一部を破損させたことがあった。和歌山県と高野町が文化財保護法、自然公園法に違反すると指摘し、工事を発注したNHKも、指導や管理が不十分だったなどとして、技術局局長やNHKから出向中の関連団体社長らを減給処分としていた。https://news.yahoo.co.jp/articles/f03c5930efcbdca8d68e38be12dd03481841f4a9