国立がん研究センターなどは28日、がん免疫治療薬の「オプジーボ」と「ヤーボイ」を使った非小細胞肺がんの臨床試験(治験)で、治療との因果関係が否定できない死者が11人確認され、治験を中止したと発表した。事前に想定した死亡率を上回ったためで、中止は3月30日付。

 オプジーボやヤーボイは、従来の抗がん剤と異なり免疫の仕組みを利用した「免疫チェックポイント阻害薬」。センターは、死者が多い要因としてヤーボイの影響が疑われると分析しつつ、患者には自己判断で治療を中止せず、主治医と相談するよう求めている。

 治験は21年4月に開始。想定死亡率は5%だったが約7.4%になり治験の中止を決めた。