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秋広には原監督からもらった宝物がある。1年目の21年、オープン戦で1軍に抜てきされた秋広は、ユニホームの胸元から短いネックレスがはみ出して揺れていた。煩わしそうにする姿を見逃さなかった原監督から「ちょっと来なさい」。大阪のホテルで呼ばれた。44歳年上の指揮官が身につけていた、プラチナのネックレスを手渡され言われた。「1億円を稼げるようになるまで、持っておきなさい」。熱く、そして温かい期待を、高級感あふれるネックレスから感じた。

秋広は「びっくりしましたけど、とてもうれしかった。一生大事にします」。もらったときはあまりのうれしさに、お風呂でもベッドでも肌身離さなかった。今季の推定年俸は630万円。1億円プレーヤーへの険しく、輝かしい道のりが始まった思い出のネックレスは、今も寮の自室で大事に飾られている。【巨人担当=小早川宗一郎】