20歳の時から酒を作るのが夢だったというキム代表は、2014年に当てもなくウイスキーの本場スコットランドに向かった。醸造所102カ所をすべて回り、仕事をさせてほしいと頼んだが、就労ビザを取るのが難しいという理由で全て断られた。韓国に帰ってきたキム代表はスコットランドで知り合った日本の蒸留所「秩父蒸留所」のスタッフに「日本で働かせてほしい」とメールを数回送ったが返事がなかった。仕方なく家の中に小さな醸造所を作って自らウイスキーを作り始めた。キム代表は「酒を作る過程を書いたブログを見た日本のNHKソウル支局から取材オファーが来た。おかげで日本の秩父蒸留所で研修するチャンスをつかむことができた」と話した。

 勤めていた酒類会社を辞めて2020年7月、金浦市内に「キム・チャンス・ウイスキー蒸留所」を開き、2022年4月に初めてウイスキーを出荷した。キム代表は「スコットランドより昼夜の気温差が大きい韓国では、比較的熟成速度が速い」「3年物のウイスキーで10年物の風味を出すことができる」と言った。ウイスキー評価サイト「WHISKYFUN(ウィスキー・ファン)」はキム・チャンス・ウイスキーに87点を付け、「日本から材料を持ってきたのではない、本物の韓国ウイスキー」「K-POPに次ぐK-malt(Kモルト)」と評価した。1本20万ウォン(約2万円)前半で売られているキム・チャンス・ウイスキーだが、最高で200万ウォン(約20万円)で転売されるほど人気だ。

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