グラウンドの隅で一人練習に励む男。山川穂高、31歳。
3月に行われた野球・世界一を決める大会、ワールド・ベースボール・クラシック。(メキシコ戦の映像が流れる)
準決勝のメキシコ戦では一時、2点ビハインドから1点差に追いつく貴重な犠牲フライを放つなど、侍ジャパンの優勝に大きく貢献した。
世界一の美酒を味わったその男には、シーズンでの活躍を誰しもが期待した、しかし。(三振する山川の映像)
開幕から62打席でホームラン0本。自慢のバットは鳴りを潜め、コンディション不良で出場選手登録を抹消された。
球団から提示された複数年契約を辞退し、単年契約で挑んだ今シーズン。
その裏では、オフにも噂される超大型契約そのものが揺らぎかねない、大事件が起こっていた。
その山川にカメラが密着した。