これか
両性具有【りょうせいぐゆう】
女性と男性を兼備していること。厳密にはアンドロギュノスとヘルマフロディトス(半陰陽)があり,前者がジェンダー(文化的特性),後者がセックス(性器)の兼備を指すが,両者は混同して用いられることが多い。プラトンの《饗宴》をはじめとして,古くから宗教・哲学・文学・心理学・医学などの文献に登場する。とくにフェミニズムやレズビアン・ゲイ理論では,性役割の置き直し,あるいは性役割からの解放のイメージとして使われる。たとえば19世紀には,男性の同性愛者の体には女性の魂,女性の同性愛者の体には男性の魂が宿っていると考えられていた。ウルフの《自分だけの部屋》では,理想の芸術家は両性具有であるとされている。これらのイメージは1970年代に再び強い支持を得,1990年代に入ってからは,異装という形などでも注目されている。