3大おまえらが忘れてる単語「アマビエ」
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その日は猛烈な風と激しい雨の嵐だった
スイスの小さな村で家の戸を叩いて回る見慣れない乞食がいた
本来なら犬でもこの嵐の日には家に入れてやらざるを得ない
ずぶ濡れで彷徨う乞食は遂に村外れの石組みの小さな家に辿りついた
ここで断られれば今夜中に凍死するだろう
乞食は戸を叩くと、中から顔を覗かせた老人が入れと行ってくれた
乞食は暖炉の前で身体を暖めさせてもらい、その夜は暖炉の前の木の長椅子を貸して貰える事となった
老夫婦だけのこの家は貧しく、この日から三日間外に出られない嵐が続いた
その間、僅かな麦粥で三人は凌ぎ、四日目の晴れた日には乞食は礼を陳べて家を立ち去ることにした
何も礼ができないからと、乞食はその石組み家の窓枠の外に所持品のナイフで奇妙な文字を刻んだ
乞食はこれでこの家には悪いものは入って来れないでしょうといって去っていった
それから間もなく村にペストが入ってきた
ペストは猛威を奮い、村人の半数以上が亡くなった
そしてあの村外れの石組みの小さな家の老夫婦はペストに狙われることも無く生き延びたという
今もその家は残り、窓枠に彫られた奇妙な文字の意味を分かる人を待ち続けている ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています