「一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟」の理事を務める(左から)ヤマトナオミチさん、甲斐田裕子さん、植田益朗さん、北尾勝さん、咲野俊介さん=2023年5月19日、東京都豊島区、黒田健朗撮影
 低賃金や長時間労働などアニメーション業界の課題解決を目指す団体「一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟」(NAFCA)が発足した。19日に記者会見が開かれ、設立に携わった監督や声優らアニメ関係者がクリエーターの不遇な状況を訴えた。

【写真】「一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟」の会見で語る、理事で声優の甲斐田裕子さん=2023年5月19日、東京都豊島区、黒田健朗撮影

 「制作現場は夢を育むファクトリーとはほど遠く、体力、気力の限界を『この仕事が好き』という作り手の思いで支えている状況。現場の疲弊は破綻(はたん)寸前と言っても過言ではない」

 「制作現場は夢を育むファクトリーとはほど遠く、体力、気力の限界を『この仕事が好き』という作り手の思いで支えている状況。現場の疲弊は破綻(はたん)寸前と言っても過言ではない」

 団体の代表理事を務める植田益朗さんが会見でそう切り出した。アニメ制作会社「サンライズ」常務や「A―1 Pictures」社長、「アニプレックス」社長などを務めてきたアニメプロデューサーだ。

 「制作現場は夢を育むファクトリーとはほど遠く、体力、気力の限界を『この仕事が好き』という作り手の思いで支えている状況。現場の疲弊は破綻(はたん)寸前と言っても過言ではない」

 団体の代表理事を務める植田益朗さんが会見でそう切り出した。アニメ制作会社「サンライズ」常務や「A―1 Pictures」社長、「アニプレックス」社長などを務めてきたアニメプロデューサーだ。

 日本動画協会の「アニメ産業レポート2022」によると、2021年のアニメ産業の市場規模は2・7兆円超まで成長。一方、業界ではアニメーターらの低賃金や長時間労働、中小スタジオの不安定な経営状況などの問題も指摘されている。

 植田さんは「日本のアニメーション現場は貧困を覚悟しなければ飛び込めない場所であり続けてよいのか。働き方改革で雇用の形態に厳しい目が注がれる中、行政からメスが入るまでこの状態を放置していいのか」と団体設立に至った問題意識を語った。 

日本動画協会の「アニメ産業レポート2022」によると、2021年のアニメ産業の市場規模は2・7兆円超まで成長。一方、業界ではアニメーターらの低賃金や長時間労働、中小スタジオの不安定な経営状況などの問題も指摘されている。

 植田さんは「日本のアニメーション現場は貧困を覚悟しなければ飛び込めない場所であり続けてよいのか。働き方改革で雇用の形態に厳しい目が注がれる中、行政からメスが入るまでこの状態を放置していいのか」と団体設立に至った問題意識を語った。