異変が起きた。家族が青木容疑者の携帯電話にかけても出ない。折り返しの連絡もない。心配した両親は車で急ぎ上京した。
姿を現した青木容疑者には生気が感じられなかった。「顔面蒼白(そうはく)で目もうつろだった」。そう振り返る母親は、今回の事件の動機と同じ言葉を耳にする。
 「大学でみんなに『ぼっち』とばかにされている」

異変はそれだけではなかった。住んでいたアパート1階の部屋に入る際、青木容疑者は「ここは盗聴されているから気を付けて」と言った。
聞くと、盗聴を恐れて携帯電話の電源も切っており「部屋の隅に監視カメラがある」。
だが、両親にはカメラがあるようには見えなかった。両親は青木容疑者を実家に連れて帰った。
両親は病院の受診を勧めたが、青木容疑者は「俺は正常だ」と拒否した。