1980年代、ホルトの養子縁組担当職員の月給は25万ウォン(現在のレートで約2万6000円)程度だった。
しかし、海外養子縁組すれば、1人当たり手数料300万ウォン(約32万円)を受け取ることができた。
このため、「養子縁組で金もうけしているのではないか」という批判の声も上がった。
養子縁組で海外に送り出す人数に重点を置いていたため、養父母にふさわしいかどうかの確認など、
後見人としての義務をきちんと果たさなかったという指摘も絶えず取りざたされた。

 2000年代に入ると、養子たちが自ら「虐待」などの被害を訴えるようになった。
今年2月の国家人権委員会の発表によると、韓国から養子縁組で海外に渡った人の3人に1人が「虐待」を受けたという。
また、8人に1人は「性的虐待」を告白した。最も代表的な問題は「代理養子縁組(proxy adoption)」だった。
2012年まで養父母たちは養子を連れて行くために韓国に来る必要がなかった。
書類で見た子どもたちを、留学生などの代理人が養父母に引き渡すことができた。
養子縁組機関が養父母を直接確認せず、「資格や適性が不十分な養父母」による養子縁組が相次いだ。

 世界のほとんどの国では公共機関が養子縁組を担っている。ところが、韓国はホルトのような民間機関に海外養子縁組を主導させている。
2012年の改正養子縁組特例法の施行以降は家庭裁判所が養子縁組許可を決定することになったが、
それまでは民間機関が韓国の子どもの海外養子縁組を決めていた。

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