<ジャニー喜多川「性加害」の問題について、メディアの責任は確かに大きい。でも、週刊文春が99年にキャンペーン報道をしても、日本人の多くは大して関心を持たず、深刻に捉えなかった。その意味で、すべての日本人はジャニー喜多川の罪を黙認し続けた共犯者である>

ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川(本名:喜多川擴)が生前行っていた子供へ性的虐待が、世の中を揺るがせている。

14日夜に藤島ジュリー景子社長が「世の中をお騒がせしていること」について謝罪。15日夜には櫻井翔がキャスターを務める「news zero」でも放送され、16日には新聞各紙が社説などで大きく報じ、元ジャニーズJr.の男性2人が国会で法整備を訴えた。17日にはNHK「クローズアップ現代」が取り上げ、19日には元ジャニーズの近藤真彦がジュリー社長の動画について「うそはだめ。正直に話して」などと述べた。21日には現役ジャニーズタレント最年長の東山紀之が「未成年に与えた心の傷、人生の影響は計り知れません」と朝の情報番組で語り、謝罪した。

ジャニーズ事務所の対応の不誠実さや問題点については、すでに多くの識者が指摘しているので、繰り返さない。個人的には、ジュリー社長が「知らなかった」で通したことは、後々かえって自分の首を絞めることになると思っている。今後、状況証拠や証言が積み重なってきた場合、致命的に信用を失うことになるからだ。

「戦後最大の性犯罪」はなぜ起きた?
この事件は、「戦後日本最大の性犯罪」とも言われている。本コラムでは、なぜここまで「ひどいこと」が起きてしまったのかを考えたい。

ネット上では、ようやく本腰を入れ始めた新聞やNHK(民放は現在もジャニーズ事務所に対し擁護的な姿勢を続けているため論外)に対し、呆れ果てる声が非常に多い。

「何という手のひら返し」
「黙殺し続けたおまえらも共犯者だろ」
「なぜ報じなかったのか、早く検証しろ」

という具合だ。もっともな意見だし、新聞各紙とNHKには是非とも社内の歴代OBやJ担と呼ばれるジャニーズ担当者に話を聞き、なぜBBCに指摘されるまで報じることができなかったのか、検証して欲しいと思う。(以下ソースで)

https://www.newsweekjapan.jp/nishitani/2023/05/post-5_1.php