東京・世田谷区へのふるさと納税の昨年度の寄付額は返礼品の拡充などにより、その前の年度より倍増する見通しになりましたが、ほかの自治体への寄付による住民税の減収額の30分の1にとどまっていて、依然として税の流出が多い傾向が続いています。

東京23区で最も人口が多い世田谷区は、住民がふるさと納税を利用してほかの自治体に寄付することによる住民税の減収額が昨年度、87億円と、横浜市、名古屋市、大阪市、川崎市に次いで、全国で5番目に多くなりました。
区は減収を少しでも抑えようと去年11月、区内にある有名店の焼き菓子の詰め合わせやローストビーフなどおよそ100の製品やサービスを返礼品として追加しました。
その結果、昨年度、ふるさと納税で世田谷区に寄付された額はおよそ2億8500万円で、その前の年度のおよそ1億4900万円と比べ、倍増する見通しになり、区は返礼品拡充の効果があらわれたとみています。
しかし、減収額の87億円と比べると、寄付額は30分の1にとどまっていて、依然として税の流出が多い傾向が続いています。
世田谷区は「制度の見直しを訴える立場に変わりはないが、制度が存続し、減収が続いている以上、区の魅力を伝えるものに限っては、返礼品としてPRしていきたい」としています。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230610/1000093713.html