「同志」と言った斉藤由貴とは状況が違う…広末涼子の復帰への道のりはかなり険しいと思う理由

 広末涼子(42)の不倫問題が泥沼化している。女優としての将来はどうなるのか。その才能を評価する声は多いが、複雑化してしまった問題を乗り越えるのは容易ではない。

 広末涼子の演技力は認められている。今年2月には「キネマ旬報ベスト・テン2022」の助演女優賞を受賞した。同賞は映画評論家ら100人以上の投票で決められ、情実が入る余地はない。

 だが、不倫問題発覚後は復帰への道のりがかなり険しい。女優は演技力と同じくらいにイメージや好感度が問われる人気商売だからだ。今後、世間の大半が不倫などの問題を容認するムードにならないと、ドラマや映画への出演は難しい。

「ドラマのキャスティングは芸能プロダクションの力で決まる」という考え方が一部にあるようだが、それは一面に過ぎない。世間が受け入れない演者の登場するドラマに大金を出すスポンサーなど存在しない。映画の出資者も同じで、観客が求める演者の出演作品を望む。最終的なキャスティング権を握っているのは世間なのだ。

 だから、昨年8月に東京・銀座のクラブで働く女性への乱暴が発覚した香川照之(57)は演技力への評価が高いものの、ドラマと映画には出られない。世間の大半が許していないからだ。観客が限定される歌舞伎に出ているのみである。

 広末の場合、レストランのオーナーシェフ・鳥羽周作氏(45)との不倫発覚だけでも大きなダメージだった。その上、最近の広末はエッセイなどで「家族第一」を強調していたから、世間にウソを吐いていたことになってしまった。二重の痛手だった。

 広末は6月14日、インスタグラムに直筆の謝罪文を投稿した。誠実さが感じられる文面だったが、それでも「私自身の家族、3人のこどもたちには、膝をつき合わせ直接、“ごめんなさい”をしました」(原文のママ)といった下りが批判された。感情が伝わりにくい文書より、会見のほうが世間からの理解を得やすいかも知れない。

 その上、18日に行われたキャンドル氏の会見によって、問題が複雑化してしまった。女優復帰前に解決すべき問題が不倫だけでなく、心の問題もあると世間に思われてしまった。

 1995年のデビュー以来、話題を振りまき続けた広末だが、最大の岐路に立たされている。