指揮官が〝大噴火〟した。阪神が23日のDeNAとの首位攻防戦を1―3で落とし、1・5ゲーム差と詰め寄られた。試合は序盤3回に2点を先制されると、6回にも追加点を許し、DeNA・今永に完投負けを喫した。まさに〝完敗〟の一戦だったが、試合後の岡田彰布監督(65)ががまんならなかったのは、自軍ナインに対してではなく審判団だった。

 開口一番「あんだけこっちは(ハーフ)スイングを取られてオマエ…」と、審判批判とも取られかねない言い回しで、山路球審をはじめとした審判団のジャッジを糾弾。判定への不信感を隠さなかった。

 自軍打線の際どいスイングはすべてスイングを取られ、その一方でDeNAは〝ノースイング〟。「2点のところ0点やん! 三振や言うとるやん! 三者凡退やんか!」。終始、語気を強めて指摘したのが、自軍の先発・ビーズリーが2失点した3回二死、無走者で佐野を迎えた場面だ。

 カウント1―2からの4球目。ワンバウンドのスライダーに佐野のバットは三塁ベンチから確かに振ったように見えたが、山路球審は「ボール」。すぐに女房役・梅野は、村山三塁塁審を指さしたが、ノースイングと判定された。ビーズリーはその後、8球目を右翼フェンス直撃の二塁打とされ、なおも牧、宮崎にも連打を浴びて2失点。佐野への4球目が「スイングアウト」なら3アウトとなり、この回の失点はなかったことにはなる。

 それだけではない。阪神の攻撃になると…。4回、大山への2球目や、9回の代打・ミエセスのハーフスイングに対し、いずれも須山一塁塁審は「スイング」の判定。映像で見る限りではDeNA・佐野が〝命拾い〟した1球と大差なく見えただけに「あの場面だけじゃないやん。見とったら分かるやろ?」と、岡田監督はバスに乗り込む寸前まで、収まらなかった。

 とはいえ、ストライク・ボールの判定に関しては、審判団の専権事項でもあるだけに…。岡田阪神にとっては、後味の悪さだけが残るリーグ戦再開初戦となった。

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