たとえば、東大と早稲田大学を比較すると、東大のトップの学生と
早大の学生の間には、学力という点では相当な差がある。ただ、東大の
下のほうの学生と、早大の上位の生徒には、さほどの差はありません。
(だから、僕は浪人反対論なんですよ。若い貴重な一年を、ただ受験勉強のために
費やしても、将来的に得られるものは大きいとは思えません。一生懸命頑張ったという
事実にこそ、意味があるんですから。)

 結局、受験勉強のやり方の差も大きいんだと思います。言われたことを素直に聞いて、
点の取り方だけ覚えてよい大学に入っても、自分の頭で考える力が低ければ、
社会に出て苦労する。自分でいろいろ工夫しながら、その結果大した大学に
行けなくても、その際の工夫が社会に出て生きるんです。
 このコラムにも何度も登場する、僕の(極悪)マネージャーは
法政大学卒なんですが、実に仕事ができます。そんな彼の口癖は、
「妙なプライドがないから、社会に出たらうちの大学とかのほうがいいんですよ」と。
一理ありますよね。

 そもそも勉強が苦手なら、嫌いなら、大学に行かなくてもいいと、
思っています。絵が上手いとか、料理が上手いとか、他人より秀でている部分で
勝負できる土俵を探すほうが大切ではありませんか。