水族館の人気者「ラッコ」は、実は絶滅危惧種。現在、国内で飼育されているのは3匹だけだ。
主な生息地である米国からの輸入は、保護規制で四半世紀途絶えており、日本での繁殖も不可能な状況。生態の把握や海の環境を考える上でも貴重な存在だが、国内の水族館からラッコが姿を消す日が近づいている。

鳥羽水族館には多い時で六匹いたが、今は同館生まれのメイ(十八歳)と、二〇二一年三月にアドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)から来たキラ(十四歳)の雌二匹。
あとは、マリンワールド海の中道(福岡市)に雄のリロ(十五歳)が一匹いるだけだ。
 ラッコの出産年齢は三~十六歳で、メイはすでに高齢の域。キラはまだ出産可能だが、福岡のリロとは兄妹のため近親交配になり、繁殖は諦めざるを得ない。
飼育下でのラッコの寿命は二十~二十五歳とされ、三匹とも二~六年後にはその域に入る。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/233450