この6月、理化学研究所から雇い止めに遭った30代男性が、中国に渡り大学教授となった。海外への「頭脳流出」だった。

 もともと、理研に長くいるつもりはなかった。それでも、胸のつっかえはとれない。

 「不当に雇い止めをされて、理研にはもう、未練はなくなりました」

 男性は東大大学院に在学中から成果を出し、総長賞も受賞した。2013年春に理研に採用後も順調に実績をあげ、内外の賞をいくつも受賞した。