阪神が今秋のドラフト上位候補として鹿児島城西・明瀬(みょうせ)諒介内野手(3年)をリストアップしていることが分かった。「高校通算50本塁打以上」を誇る右の強打者。右翼から左翼へ強く吹く甲子園球場の「浜風」が不利とならない右打者は毎年のように掲げる補強ポイントで、「薩摩のロマン砲」に大山の“後継者”として熱視線を向けた。

1メートル83、90キロの恵まれた体が生み出す豪快なスイングと飛距離は、高校生のレベルを超えている。鹿児島城西の明瀬は、公式戦でも練習試合でも柵越えを連発するあまり、正確な本塁打数は不明。同校の野球部関係者が「50本を超えたこの春から数えるのをやめたようだ」と語るほどだ。

 天性のスラッガーは、阪神の球団関係者が「井上、前川を獲ったように、近年は高校生の強打者を育てる方針がある」と明かすドラフト戦略に合致。さらに、お膝元の大阪府堺市出身で、“虎の恋人”にふさわしいダイヤの原石と言える。

 高校から関西を離れて鹿児島へ。南海(ダイエー)、西武、そして99~00年には阪神に在籍して通算1599安打を放った佐々木誠監督から指導を受ける。そこで長打力が磨かれた。木製バットで両翼100メートルの練習場のフェンスを軽々と越す。投げても最速152キロ。投手以外では一塁を守ることが多いものの、肩の強さを買って、三塁手候補として熱心に見ている球団は多い。