村上にはメジャー挑戦という夢がある。実際の評価はどうだろうか。米国駐在のスポーツ紙記者はこう語る。

「メジャーの注目度が高い強打者であることは間違いありません。今年は壁に当たっていますが、乗り越えればさらにすごい打者になるでしょう。一つ懸念があるとすれば、WBCで大谷翔平を目の当たりにしたことですかね。メジャーで屈指の強打者である大谷と自分を比べると焦りが出てしまう。大谷の野球に取り組む姿勢は見習うべきですが、打者としての個性は大谷と村上では違う。焦らず、自分の打撃を突き詰めたほうが良いと思います」

 一方、厳しい見方も。メジャーリーガーをマネジメントする代理人は、「村上が3年後にどんな選手になっているか楽しみだが、現時点では守備力を含めて岡本和真のほうが魅力的な選手だね」と評する。

「村上は三塁の守備がうまいとは言えない。松井秀喜(元ヤンキース)、鈴木誠也(カブス)のように高い水準の守備力があれば、打撃不振でも我慢して起用してもらえるが、あの守備力だとちょっと厳しい。吉田正尚(レッドソックス)のように守備、走塁に長けてなくても空振りが少なくミート能力が高ければ補えるが、村上は三振が多い。長打力は魅力だが、常時打率3割を残して守備力を磨けば、さらに良い選手になると思う」

 昨年まで球宴に3年連続出場していたが、今年は三塁部門でファン投票4位に。監督選抜でも選出されず、今月14日に発表されるプラスワン投票で選ばれなければ、球宴の舞台に立てない。昨季の三冠王が夢の祭典で見られないのは寂しいが、民放テレビ局関係者は「この成績で球宴に出場することに、村上は納得してないでしょう。短期間ですが自分の打撃を見つめ直し、修正する時間に充てられるとプラスに考えたほうがいい。爆発力がある選手だけに、後半戦で復調する可能性は十分にある。リーグ3連覇は厳しくなりましたが、本塁打、打点の打撃タイトルはまだ狙える位置につけている。意地を見せてほしいですね」と期待を込める。

 昨年は驚異的な活躍で愛称の「村神様」が流行語大賞に選ばれたが、まだ23歳。発展途上の選手であることを忘れてはいけない。大きな試練は成長の糧になる。(成績は7月5日時点)

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