研究熱心な左腕は、ピンチになると最速159キロまで球速を上げるバウアーに助言を求めていた。「メカニズムを変えているのか、ただ純粋に出力だけ出しているのか? 僕もピンチの時に150キロじゃなくて、152、3、を投げたいと思っているので」。答えは難解だったが、それを理解し実践してみせた。

「バウアーは『股関節の屈折角度と重力を利用する』と。聞かれたらすぐ答えられるので、それが本当に素晴らしい。僕もちょっとだけ股関節の角度を深くして投げました」。投球時により深く沈み込むイメージで、7回の岸田には4球すべて高め151キロ直球で押し込み、「あれはメカニズムを無視して球速を出しにいった。いい球だったか分からないけど、物理的には速い球を投げられた」。4回の岡本和の打席では152キロを投じるなど要所で力を込めた。