わが友ヒトラー ウィーン編
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悪名高きアドルフ・ヒトラー
そんな彼を友と呼ぶ男がいた
一九〇〇年代のドイツ 二人の少年の物語
参考・引用
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」(5ch)
アドルフ・ヒトラーの青春(三交社) 一九〇八年二月
ウィーン駅
ざわ…ー(⚭-⚭(⚭-⚭( ⚭-⚭ )⚭-⚭)⚭-⚭) ---ざわ…
( ; ›ω‹ )「あう…あう…」
駅の人の多さにボクは戸惑うしかなかった
勇気を振り絞り、前に出ようとしても
(# ゚Д゚)「どけ」
( ;´-ω-` )「す、すいません…」
(# ゚Д゚)「邪魔だ」
:( ;˙꒳˙;):「あう…」
(# ゚Д゚)「Fack You!!」
:(´ºωº`):「あわわわ」
人々は怒鳴りながらボクを元の場所に押し戻してしまう
(´;ω;`) .。oO(怖い……か…帰りたい…)
アドルフは一体どこにいるんだろう…
迎えに来てくれるって言ってたのに 彡(゚)(゚)ノ「おーいクビツェク、ここやー!」
(。゚ω゚)「アドルフ!」
(´^ω^`)「ああよかった…」
( ;´-ω-` )「一生ここをさまよい続けるのかと思ったよ…」
彡(゚)(゚)「おおげさやで 全く相変わらずやなぁ」
(´・ω・`)「そういう君はすっかり都会に馴染んでるみたいだね」
グレーの冬用コートにグレーの帽子、象牙の握りのついたステッキ
こっちでも相変わらずアドルフの服装はキチッとしてるなぁ
彡;(゚)(゚)「トランクでかすぎるやろ…完全なお上りさんやんけ……」
(´ᴖωᴖ`;)「はは…お母さんが色んなもの詰めこんでさ」 ざわ…ー(⚭-⚭(⚭-⚭( ⚭-⚭ )⚭-⚭)⚭-⚭) ---ざわ…
彡;(゚)(゚)「とりあえずこッから出るで 五月蝿くてかなわんわ」
( ;´-ω-` )「うん、ぜひともそうしたいね…」
彡(゚)(゚)ノ「ほないくで」
アドルフが住むアパートに向かった
歩くこと数十分
彡(゚)(゚)「ここが今のワイの住み家や」
(´・ω・`)「あれ…予想以上に綺麗なところだね…」
彡(-)(-)「表向きだけや」
ガチャ
(。゚ω゚)「うわっ、石油くさっ!!」
彡(゚)(゚)「大家は留守みたいやな、後で紹介したる」
彡(゚)(゚)「まあ、入れや」 アドルフの部屋は紙だらけで
ろくに足の踏み場もないような有様だった
彡(゚)(゚)「少し休憩しようや」
(´^ω^`)「食べ物、沢山持ってきたよ」
彡(^)(^)「お、まじでか!」
ガサーとアドルフはスケッチをどかし、場所を確保した
(;´・ω・` )「アドルフ そんながさつに絵をどけていいの?」
彡(゚)(゚)「べつにかまへん」
彡(゚)(゚)/「それよりメシや!」
(`・ω・´)「そうだね それじゃあいくよ」 ジャジャーン
(´ᴖωᴖ`)「まずはジャガイモのパンケーキ」
彡(^)(^)「お、ドイツ家庭料理の代表格やな!」
彡(-)(-)「母さんが作ってくれたのを思い出すで……」パクッ
彡()()「あ〜甘さが抑えてあって塩味が染みとる…」
(´ᴖωᴖ`)「だから肉料理にも合うんだよね」 そんなわけで次は〜
(*>ω<*)「はいローストポーク」
彡(゚)(゚)「肉食うの久しぶりや!」ガブッ
彡(>)(<)「あ〜この歯応えとパンケーキのふっくら感がええな」
彡(^)(^)「ベストマッチやで!」
そして締めは〜
(´ᴖωᴖ`)「ブフテルン菓子 バニラソース付」
彡(⦿)(⦿)「お、ワイの好物やん!」
彡(-)(-)「おばさん 覚えとってくれたんやな…」モグー
彡(-)(-)「この甘み…食感…チェコ生まれのものとは信じられん…」
彡(゚)(゚)「美味や」 彡(^)(^)(´^ω^`)
それから、ボク達は王様のようにたらふく食べた
彡(^)(^)「家庭の味に、そしてクビツェクのウィーン進出に乾杯や!」
(´^ω^`)「かんぱーい!」
カツーン
彡(^)(^)つ”*∀∀*”⊂(´^ω^`) 彡(゚)(゚)「そういえば、ステファニーは今どうしてるんや」
(。゚ω゚)「あ……」
彡(•)(•)「特命を持たせたよな?」
( ´-ω-` )「……」
たしかに、ボクはアドルフからステファニーを監視するよう特命を受けていた
彼の頭の中では次のような筋書きができあがっていた J(„❛⌄❛„) .。oO(アドルフがいなくなったことを心配する)
↓
J(„❛⌄❛„) .。oO(アドルフに何か不幸が起きたかもしれないと心配する……)
↓
J(„❛⌄❛„) .。oO(アドルフが病気になったのではないかと心配する……)
↓
J(„❛⌄❛„) .。oOもしかしたらすでに、アドルフは死んでしまったのではないかと……)
そして居ても立ってもいられなくなったステファニーは
慌てて駆けだし、橋を渡り、ボクの家を訪れ
J(„❛ꇴ❛„)「お友達に何か起こったのでしょう?」
と聞きに来るというものだった (´ᴖωᴖ`;) .。oO(あり得ないけどね)
それに実際になにも起きなかった
まあ、報告できるようなことは手紙にして四ページぐらいはあるけど
いちいち説明するのも面倒だし……適当にごまかしておこう!
彡(゚)(゚)「貴様…任務を怠ったな…」
(。・ω<)ゞ「テヘッ」
彡(●)(●)「ちっ、極刑に値する過ちやぞ」 夕方
彡(゚)(゚)「クビツェク、今から宮廷劇場にいくで!」
( ;´-ω-` )「ええ…今日はもう休みたいんだけど…」
彡(•)(•)「ウィーンに来て、宮廷劇場も見ずに眠れるわけないやろ!」
彡(゚)(゚)ノ「はよ行くで!」
┗(゚)(゚)ミ┓三三3 (‘・ω・`; )
アドルフはさっさと歩いて行った
(´・ω・`) .。oO(うーん、この感じもひさびさだなぁ)
彡(゚)(゚)「なにやっとるんや!はよ、こいや!!」
(´・ω・`)「うん」 宮廷劇場前
(。゚ω゚)「おお、ホールからもうリンツのとは比べ物にならないや…」
彡(-)(-)「大理石の欄干、ビロードの絨毯、金色に化粧された天井…」
彡(゚)(゚)「これが大都市のなせる技や」
それから、教会、聖堂、塔と……
大都市の豪華絢爛な建物を見て回った
リンツのものとは何もかもが桁違いだった (´-ω-`)「まるで別の惑星に連れてこられたみたいだ」
(¬ω¬)チラッ 彡(゚)(゚)
ひときわ青白く華奢で大きな目
アドルフはまるで宇宙人のよう
きっとボクはこの宇宙人にさらわれて…洗脳されて……
彡(゚)(゚)……
彡(-)(-)「この先に収容所があるんや…」
彡(●)(●)「ぶちこんだろか…?」
(。゚ω゚) .。oO(こころを読まれた!!) 彡;(゚)(゚)「たくっ 見惚れすぎやで、真夜中になってもうた!」
(`・ω・´;)「なにいってんだい アドルフの方が見惚れてたくせに!」
彡(^)(^)「すばらしい芸術は何度見てもいいもんや!」
こうしてボク達は帰宅した
不機嫌な管理人にチップを払うはめになったけど
彡(-)(-)「ちっ、足下見おって…」
部屋
彡(゚)(゚)「でな、クビツェク、ケルントナー通りの風景は…」
( ˘ω˘ )「うん…うん…Zzz」
彡(゚)(゚)「疲れ果てて寝おった」
彡(-)(-)「相変わらず貧弱な奴やで」
気づけば、眠っていた
この日はあまりに色々なことがありすぎた
家族との別れ、列車の旅、喧騒、宮廷劇場、雑踏、裏路地、・・・
そして明日は、新しい部屋探し
それもピアノを弾けるところじゃないといけないから
(´-ω-`) .。oO(大変そ…Zzz) 翌日
(´・ω・`; )「うーん、やっぱりないね…」
(´-ω-` ; )「ピアノを置いていいかって聞くとどこからも苦い顔される…」
彡(゚)(゚)「まっ、当然やな」
彡(゚)(゚)/「駄目で元々や 根気強くいくで」
(´・ω・`)「うん、そうだね」
┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・`)┓三三3
それからもボクとアドルフはウィーン街を巡ったが :(´ºωº`):「まずいよ…もう夕方だ」
(;´・ω・` )「今日中に決めて明日、音楽院を受験する予定だったのに…」
彡(-)(-)「しゃあないな…」
彡(゚)(゚)/「奥の手や 着いてこいや」
┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・`;)┓三三3
アドルフは説明もなくさっさと前を歩いていった
そして (´・ω・`)「あれ?ここって…」
( ;´-ω-` )「結局、帰ってきただけじゃないか…」
彡(゚)(゚)「なぁにワイに任せて、お前は部屋で待っとれ」
(;´・ω・` )「一体どうするつもりなんだろ…」
待つことしばらく
バタン!
彡(゚)(゚)「大家と話がまとまったで!」
彡(゚)(゚)「ここを引き払って二階の大きい部屋に移ることになった」
彡(^)(^)「もちろん、ピアノもOKや!」
(。゚ω゚)「ここの上!?」
彡(-)(-)「まあ……南京虫がたくさんおるという欠点はあるが…」
彡(゚)(゚)「家賃は二十クローネとお得やぞ」
( ;´-ω-` )「うん…そうだね…贅沢は言えないね」
街を巡りまわった末に、元々借りていた部屋の上という
なんとも言えない結果になったが…
アドルフは都会に馴染んでおり
その行動力と話術はさらに磨きがかかっていた 翌日
(;`・ω・´)「じゃ、音楽院の受験に行ってくるよ」
彡(^)(^)「おう!頑張るんやで」
テストはすぐに受けることができた
楽器の演奏、その次は歌…そして筆記試験…
ボクは音楽史については独学だったから少しそこが不安だった (◎෴◎)「受験番号三三四番アウグスト・クビツェク君…」
(´-ω-` ; ) .。oO(ドキドキ)
v(◎෴◎)「おめでとう、合格だ」
(。゚ω゚)!!!
(´^ω^`)「ありがとうござます! ありがとうございます!」
合格発表の後、校長先生から直々にそれはもう
至れりつくせりなカリキュラムの説明がされた
プロの指揮者も紹介され
\(◎灬◎)
その人の下で総譜の研究や指揮を学べることになった
そして、ボクはヴィオラ奏者として学内オーケストラの一員にもなった (´-ω-`) .。oO(ウィーンにきた当初は……)
混乱し、戸惑い、先行きがどうなるか不安だったけど……
(`・ω・´) .。oO(今やボクは音大の学生)
これからは、音楽が人生の中心になるんだ!
(´ᴖωᴖ`) .。oO(アドルフ…)
今すぐ君に知らせたいよ
これでようやく、ボクも君と同じ芸術家のスタート地点に立ったんだよ!
ガチャ
(´ᴖωᴖ`)「ただいま アドルフ!」
(´・ω・`)「あれ、いない?」
(・ω・`;≡;´・ω・)「アドルフー!」
シーン
(´・ω・`)「どこいったんだろ?」 夜になろうとしていた
ガチャ
彡(゚)(゚)……
(´ᴖωᴖ`)「アドルフ、遅かったね! どこに行ってたんだい?」
彡(゚)(゚)「ああ…少し……な」
彡(゚)(゚)「で、音大の受験どやった?」
(`・ω・´)「ふふふ…」
(´^ω^`)「バッチリ合格さ!」
(´ᴖωᴖ`)「これで二人でとも大学生だね!」
彡(゚)(゚)「……」
(´・ω・`)?
彡(^)(^)「おお…よかったやないか ホンマに…」
(´ᴖωᴖ`)「うん!」
(´・ω・`)「それでね、ボク…ボク……」
彡(゚)(゚)「なんや…?言いたいことならはっきり言いや」
(;´・ω・` )「笑わないで聞いてよ…?」
(;`・ω・´)「ボクは…本気で指揮者になろうと思うんだ!」 彡(゚)(゚)「…指揮者」
(´ᴖωᴖ`)「うん 紹介された先生が素晴らしい人でさ」
彡(•)(•)「先生…?」
(´ᴖωᴖ`)「うん! 普段は大学で教授をしてて指揮者も務めてる凄い人なんだ!」
彡(•)(•)「…教授?」
(´ᴖωᴖ`)「うん! 教授の教えのもとレールから落ちないように頑張らなきゃ」
彡(•)(•)「レール…!?」
(´ᴖωᴖ`)「うん!」
彡(•)(•)「……」
(´・ω・`)「どうしたの?」
彡(-)(-)「……せやな、しっかり勉強せなアカンな」
彡(゚)(゚)「後悔しないように精一杯、頑張るんやぞ」
(´^ω^`)「うん!!勿論さ!!」
彡(^)(^)「…今日はクビツェクの合格祝いや! ジャンジャン飲むで!」
(´^ω^`)「飲もう飲もう!」
後になって思う
この時、アドルフはボクの合格をどう思っていたのだろうかと…… 数日後
(´・ω・`)「ここにグランドピアノを置きたいんだけど…」
彡;(゚)(゚)「おいおい、ワイのことも考えろや…」
彡(゚)(゚)「もっと奥に置けるやろ?」
(´ᴖωᴖ`)「はは、アドルフは部屋中を歩き回るのが癖だからなぁ」
彡(゚)(゚)「まっ、その位はええわ」
彡(-)(-)「ピアノの音色によってワイの知識欲も活発になるってもんや」
彡(^)(^)「よっしゃ、今日は新しい住人のグランドピアノに乾杯や」
彡(^)(^)『かんぱーい!』(´ᴖωᴖ`)
カツーン♪
彡(^)(^)つ”*∀∀*”⊂(´^ω^`) 朝六時
(´ω`)「ふあぁーあ さて、大学に行くか」
彡()()「ンゴー ンゴーZzz」
(`・ω・´;) .。oO(そーっと そーっと)
ガチャ
アドルフの朝は遅い
彼はいつも夜更けまで勉強をしたり読書をしている
それ対してボクはというと
夜に楽器を弾くわけにもいかないから、さっさと寝て朝早く学校に行く 本が品切してるから読めないんだけど、当時のクビツェクssって本の内容をどれだけ描ききってるんだろ。あんな分厚い本をあそこまで短くして面白いのは凄いけどもっと沢山読みたかった 学校
(◎灬◎)「ふむ、君の知識は目に見張るものがある」
(´ᴖωᴖ`)「ありがとうございます」
(◎灬◎)「君になら任せられるかもな…」
(´・ω・`)?
(◎灬◎)「実は課外レッスンの仕事の枠があってね」
(◎灬◎)「給料も多くはないが出る どうだい、やらないか?」
(;`・ω・´)「ぜ、是非お願いします!」
ボクは音楽院にとても早く馴染むことができた
正当に評価され、優秀だと褒められた
こうしてボクの毎日は満足と幸福、元気でいっぱいだった
(´^ω^`)「来期の時間割はこんなところでいいかな♪」
彡(-)(-)「チッ…」 (´・ω・`)「ただいま」
彡(-)(-)「うーん……」
(´・ω・`) .。oO(あっ!アドルフが勉強している……)
静かにしないと……
邪魔でもしようものなら、大変なことになる
(´・ω・`) .。oO(それにしても……)
アドルフが勉強を始めると
いろいろな本やメモ書き、建物のスケッチ画があらゆる所に散乱する
床やテーブル、アドルフの寝床のソファーにはもちろん
ボクのピアノやベットにまで侵略してくるから困ったものだ (´・ω・`) .。oO(でも……)
アドルフの勉強方法は見ていておもしろい
美大の勉強は多面的なようだから何をしているのか内容はさっぱりだけど
彼は散らばった自分の作品を興奮しながら眺め
僅かに空いたスペースをバレエのようにつま先歩きしながら
気になったものを見つけ、変更し、修正する
その時にアドルフは、大げさな身振り手振りを交えながら独り言を呟く
まるで一人で演劇をしているかのようだ 彡(●)(●)「あーアカン!頭が煮詰まってきよった!」
Σ彡(゚)(゚)「お!なんやクビチェク。帰ってきとったんか」
(´・ω・`)「うん、少し前にね」
彡(゚)(゚)「ピアノ使うんか?」
(´・ω・`)「うん」
彡(゚)(゚)「分かったわ、じゃあワイは外に出とる」
(´・ω・`)「またシェーンブルン公園に行くの?」
彡(゚)(゚)「せや、あそこは誰にも邪魔されずに勉強できる」
彡(^)(^)「おあつらえ向きにベンチまで置かれとって最高や!」
彡(゚)(゚)/「ほな」
アドルフは散乱していた資料を戸棚に戻し
本を小脇に抱えて出て言った
(´・ω・`)「よし、ボクはピアノの練習だ」 真夜中
カキカキカキ
カキカキカキ
カキカキカキ
(´-ω-` ; ) .。oO(……ん、なんだよこんな時間に……)
アドルフがわずかな光のもと、机に向かっていた
彡(゚)(゚)「ん、なんや…起きたんか?」
(´ω`)「ふぁーあ うんモニャモニャ……」
(´-ω-`)「……何かいてるの?」
彡(゚)(゚)ノ「これや!」
とアドルフから三枚の紙が渡された
一枚目には神々しい山々、樫の巨木、二人の屈強な男と黒い雄牛
二枚目には祈る祭司と兵士…何かの儀式かな?
三枚目にはストーリーが書いてあった ( ¯•ω•¯ )「なにこれ?」
彡(゚)(゚)「見て分かるやろ劇や!」
彡(>)(<)「邪教を打ち倒す二人の戦士の物語や!」
(´・ω・`)「ふーん…」
彡(゚)(゚)「なんや 反応うすいな…」
(´-ω-` ; )「ごめん …明日朝はいからもう寝るね…」
彡(•)(•)「ほーん、学生さんは大変やな」
( ˘ω˘ ) .。oO Zzz
最近、アドルフが少し攻撃的になってきたと思う
まあ、今に始まったことじゃないんだけど…
なんか違和感があるんだよね
今までと違うような…… 彡(●)(●) ###
アドルフは歌っていた
怒りをぶちまけながら猛烈な憎悪を込めて社会を批難する歌詞だ
アドルフの感情の吐露はボクの心を揺さぶると同時に
心配で一杯にした
何が彼をそんなにもイラつかせ、情緒を不安定にさせているのか
ボクには分からなかった 彡(゚)(゚)……
彡(゚)(゚)「ワイはステファニーのことを諦める」
(;´・ω・` )「えっ!」
(;´・ω・` ) .。oO(急にどうしたんだよ……)
アドルフにとってステファニーJ(„❛ꇴ❛„)の存在は……
美化された空想の中だけとはいえ
唯一、現世に残されていた愛という絆だった
この残された愛情は、クララおばさんが亡くなった後も
変わらず彼の側にあり、彼を包み込んでいた
でもアドルフはどういうわけか、その大切な思いを捨て去ろうとしている (;´・ω・` ) .。oO(どうにかしないと……)
(;´・ω・` )「そんな悲しいことを言わず、手紙でも書いてみたらどうだい?」
彡(゚)(゚)「そんなことをしても無駄や……」
彡(-)(-)「邪険にされるのが目に見えとる」
(;´・ω・` )「そんなことないよ……愛されて悪い気を持つ人はいないよ」
彡(゚)(゚)「愛?……そんなもんがなにになると言うんや?」
彡(-)(-)「どうせ彼女にはステキな婚約者が用意されとるはずや……」
彡(゚)(゚)「上流階級の人間なんてみんなそうや……」
彡(゚)(゚)「打算的な婚約で社会の利益を不当に保証しあっとる」
彡(-)(-)「ステファニーはそういった世界の住人なんや……」 (;´・ω・` ) .。oO(どうしたらいいんだろう……)
たしかに…アドルフの言うことは……一理あるのかもしれない
それに……
見込みのない恋に恋焦がれるより
諦めた方が心理的負担は減ることだろう
でも、彼女の存在がアドルフを支えてきたのも事実だ
一時の気の迷いで捨ててしまっていいものでは決してないはずだ
(;´・ω・` )「アドルフ、君は疲れてるんだよ」
(;´・ω・` )「とりあえず、今日は寝ようよ」
彡(゚)(゚)「……せやな」 彡(●)(●)「大学なんてクソや!」
彡(●)(●)「古くて時代遅れの上級役人、理解不能な官僚、愚かな木っ端役人!」
彡(●)(●)「こんなゴミどもを生み出す大学なんか全部消し飛べや!」
アドルフの顔色は死人のように青白く
口元からも血の気が引き、唇はほとんど真っ白
でも目は燃えるように輝いていた
ぞっとするくらい… (;´・ω・` )「どうしたんだよ急に……」
(`・ω・´;)「君だって大学で色々と学んでるんじゃない…」
彡(●)(●)「あの連中はワイを認めずに放り出しおった…」
彡(◦)(◦)「ワイは大学から締め出されたんや…」
(´•ω•) .。oO(あっ…)
アドルフ、美大に行けてないんだ
なにか変だとは思ってたけど
いつからだろう…たしかに最近イライラしてたけど……
彡()()「なんであんな分けのわからん絵を描くアホを入学させて……」
彡(●)(●)「ワイが落とされなアカンねん!!」 (。゚ω゚) .。oO(え?どういうこと…)
もしかして美大の入学試験に落ちたの…
そんなはずは……
だって今まで学生として勉強していたじゃないか……
本当は受験に失敗して浪人していたの?
(。゚ω゚) .。oO(え?どういうこと…)
だってクララおばさんがまだ生きていた頃…
クララおばさんはボクに手紙を見せながら
アドルフは大学で勉強を頑張っているって
苦しみながらもあんなに喜んでいたじゃないか……
(。゚ω゚) .。oO(嘘……だったの……?)
頭が混乱してとっさに疑問が口を出ていた
(。゚ω゚)「それで、これからどうするんだい?」
彡(•)(•)「どうするんだい、と言ったか?」
(´・ω・`)…… ( ´-ω-` ) .。oO(ボクは本当にバカだ)
自分のことばかりに浮かれて、まったくアドルフを気にかけていなかった
きっと、この質問も彼は何度も何度も自問自答しただろう
悩む時間は嫌なほどあったんだ
アドルフはウィーンでずっと一人、孤独だったんだから…
(;´・ω・` ) .。oO(そして……)
誰にも打ち明けることも出来ずに
一人で必死に何とかしようとしていたんだ
アドルフはボクが音楽の道に進めるよう
気にかけ、応援してくれていた……
職人気質で頑固な父を説得してくれたのもアドルフだ
( ;´-ω-` ) .。oO(それに引き換え……)
ボクはなにも彼の力になれなかった
そして今もどうすればいいのか分からない
その後も、アドルフはずっと「どうする」「どうする」と呟いたまま
しばらくすると、一人、本を読みだした あくる日 宮殿通り
彡(゚)(゚)「はぁー、この国はホンマ駄目やな」
彡(-)(-)「チェコ人、ハンガリー人、スロバキア人、ルーマニア人、イタリア人…」
彡(゚)(゚)「ようこんだけの民族を寄せ集めたわ…」
彡(-)(-)「愚かや 実に愚かや」
彡(•)(•)「この間おまえと行った遊園地もなんやあれは!」
彡(-)(-)「大の大人があんなおもちゃでばか騒ぎしおって…」
(´・ω・`) .。oO(ボクはそれなりに楽しめたけどね…)
アドルフと歩いていると、眼の前に豪華絢爛な馬車が過ぎ去っていった
(`・ω・´)「あ、アドルフ、皇帝だよ!」
(`・ω・´)「皇帝が馬車に乗って宮殿に入っていくよ!」
彡(゚)(゚)「ほーんで?」
(´・ω・`)「即位六十年だから最近は忙しいんだろうね」
彡(゚)(゚)「あーはいはい」
彡(゚)(゚)「なーにが四十二年の平和を築いた皇帝や……」
彡(●)(●)「何もしとらんだけやんけ!! 彡(•)(•)「平穏な世界なんてつまらんだけや!」
(;´・ω・` )「この前ロシアとどこかの国が戦争したじゃない」
( ´-ω-` )「なんて言ったかな?極東の……」
(´・ω・`)「ベートーヴェンのジャジャジャジャーンみたいな名前の国」
彡;(゚)(゚)「なんやねんそのふざけた国…」
彡(゚)(゚)「ゆうてもワイらと関係ないやん!」
彡(゚)(゚)「さっさと起きへんかなぁー 一心不乱の大戦争!」
彡(•)(•)「んで世の中の嫌なもん全部吹き飛ばせや!!」 (;´・ω・` )「今の世の中、戦争なんて起こる訳ないじゃん」
(;`・ω・´)「大学の先生もそう言ってたよ」
彡(•)(•)「いいや、近いうち革命的な事件が必ず起こるで!」
彡(●)(●)「てか起これや!起こしたる!」
(;´・ω・` ) .。oO(えぇ…)
彡(゚)(゚)「それに、この間のボスニア併合であやうく戦争になるとこやったやないか」
彡(-)(-)「あんなもん国が弱ってますって言ってるようなもんやで」
彡(゚)(゚)「やっぱり教授なんて信用ならんな!」
彡(•)(•)「クビツェク、お前も教授の話しを鵜呑みにしたらアカンで!」
彡(●)(●)「自分の頭で考えるんや!!」
( ;´-ω-` )「はいはい、解ったよ」
彡(゚)(゚)「お、国民公園についたで!」
彡(^)(^)「ここの英雄広場はパレードをするのに最適なんや!」
(´-ω-`)「自然があってリンツを思い出すね」
彡(-)(-)「せやな…住むところに関してはあの頃のがよかった…」
(´・ω・`)「それは言わない約束でしょ…」 ┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・`)┓三三3
リンツの頃と同じようにアドルフとボクはウィーンの街を歩き回った
アドルフの建物好きはさらに磨きがかかっていて
彼のお気に入りのリンク通りでは何時間も建物の説明を受けることもあった
「あそこは〜」\(゚)(゚)ミ(‘・ω・` ;) .。oO(帰りたい……) でも、リンツの頃とは違っていることもあった
リンツの街にはあれこれと文句をつけ、改善点を挙げていたが
完成されたウィーンの街にはアドルフも感心していた
しかし、政治に関心を持つようになった彼は
大多数の住民のために健康的な住居の必要性も
視野に入るようになっていた 彡(゚)(゚)「この作りやと、日光や外気を得る余裕もない」
彡(゚)(゚)「なんでこんなことが起きるか分かるか?」
(´・ω・`)「わかんない」
彡(゚)(゚)「理由は簡単や、金儲けのためや」
彡(゚)(゚)「地主どもは金のために、狭く高い家を建てたがる」
彡(゚)(゚)「部屋が多いほど、利益が出るのは当然やからな」
彡(-)(-)「けど、そのために住民の生活環境が犠牲になっとる」
彡(゚)(゚)「あろうことか、地下にまで部屋を作る職業家主まで現れる始末や」
彡(•)(•)「まるで地下牢に囚人を押し込めるようや!」
彡(●)(●)「もし子供が住もうものなら死んでまうわ!!」
彡(•)(•)「さらに我慢ならんのは、住民にはそんな劣悪な環境を与えておいて」
彡(●)(●)「自分たちは郊外の庭付きの豪邸に住んどることや!!」
彡(●)(●)「有り余る財産を持っているのに搾取することしか考えん!」
彡(●)(●)/「ワイらはこの守銭奴どもを駆逐せなアカン!!!」
(;´・ω・` )「う、うん」 彡(゚)(゚)「ちょっと三日間ぐらい留守にするわ」
(´・ω・` )「え?どこに行くの?」
彡(゚)(゚)「先進的な集合住宅がどういったものか実際に見て来るわ」
彡(゚)(゚)ノ「ほな」
四日後
彡()()「か……帰ったで……」
(。゚ω゚)「アドルフ!?」
(。゚ω゚)「どうしたんだい?疲れ切ってるじゃないか……」
彡()()「いろ…いろと見て回ってな……けど、成果はあったで…」
彡()()ノ「ほ…れ……」
(´・ω・`)つ
彡()()Zzz……
アドルフからスケッチを受け取ると、彼は寝てしまった (´・ω・`) .。oO(なにが書いてあるんだろ……)
ふむふむ……
どうやら一般家庭向けの部屋の見取り図のようだ
そこにはキッチン、居間、親と子で別々の部屋、お風呂と洗面所が書かれていた
驚くべきことにキッチン、お風呂、洗面所には水道が通っている
これは画期的なことだった!
普段、ボクたちが水を使おうと思ったら
部屋の外にある共同の蛇口からバケツを持って汲みに行かないといけないのに
アドルフの案はその不便さを解消するものだった
(´・ω・`) .。oO(こんな部屋に住めたらどんなにいいことか……) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています