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わが友ヒトラー ウィーン編

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1それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 09:02:21.22ID:idQXOWs+0
悪名高きアドルフ・ヒトラー
そんな彼を友と呼ぶ男がいた

一九〇〇年代のドイツ 二人の少年の物語

参考・引用
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」(5ch)
アドルフ・ヒトラーの青春(三交社)
126それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:33:19.50ID:idQXOWs+0
(´・ω・`)「来週には、ボクはリンツに戻って兵役検査を受けるよ」

彡(゚)(゚)「久々の故郷や 休日と思って両親と過ごしてこいや」
(◦灬¯)「そうだよ 里帰りして親孝行しないと」

(´・ω・`) .。oO(なんでこの人がいるんだろう?)

(◦灬^)「ところで、君の指揮は迫真の出来だったらしいじゃないか」
(◦灬⦿)「どこかのオーケストラから推薦もウケたんじゃないのかね?」

彡(゚)(゚)「…そうなんか?」

(;´・ω・` )「えっと…まぁ紹介はされたけど」
(´・ω・` )「…………うん」

彡(゚)(゚)ノバシン!!
(。゚ω゚) .。oO(痛っ!)
強く背中を叩かれた

彡(゚)(゚)「何をためらっとるんや!」

彡(^)(^)「よかったなクビツェク、夢が叶ったんや!」
彡(^)(^)「やったやんけ!」

(◦灬¯)「で、これからどうするんだい?」

(´・ω・` )「どうするって… とりあえず故郷に帰って… 兵役をうけて…」
(`・ω・´)「いずれにせよ、ボクとアドルフはずっと一緒です」

(◦灬^)「ハッハッハ、君たちは本当に仲がいいんだね」

彡(゚)(゚)……
127それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:35:11.11ID:idQXOWs+0
コンサートも終わり、授業もなく、兵役検査の日までヒマだった
なのでボクは旅行を計画した

(´・ω・`)「ねえアドルフ、旅行に行こうよ」
彡(゚)(゚)「そんな金はない……」

(´・ω・`)「お金はボクが出すから大丈夫」
彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`)「こんな狭くて、かびてて、油臭い部屋に引き籠ってないでさ」
(´・ω・`)「柔らかい春の日差しが降り注ぐ、草原や森、山々に行こうよ」

彡(゚)(゚)「……そこまで言うならしゃーない、行ってやるわ」
(´ᴖωᴖ`)「うん、ありがとう」

(´・ω・`) .。oO(なんでお金を出すボクがお礼を言ってるんだろう?)
まあ、付いてきてくれるなら、それでいいや
第一関門は突破!
さっそくお弁当やその他諸々の準備に入ろう
128それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:36:43.51ID:idQXOWs+0
翌日
(´・ω・`)「うん!雲一つない快晴の旅行日和……」
(`・ω・´)「さあ!出発だ!」

彡()()Zzz…Zzz…

( ;´-ω-` ) .。oO(そして……第二関門)
旅行の計画は伝えていたのに
なにがあっても早起きだけはしたくないって豪語してたから

(;´・ω・` ) .。oO(やっぱり起きてこない……)
『寝ている子を起こすな!』じゃないけど
寝ているアドルフを起こすのはとても危険だ
彼を無理やり起こすと、とても不機嫌になる
でも、起こさないと旅行に行けない……
129それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:37:19.66ID:idQXOWs+0
(;´・ω・` )つ「ねえ、アドルフ…起きてよ」ユサユサ
彡(•)(•)「なんや?」

彡(●)(●)「なんでこんな朝早くに起こすんや!!」
(;´・ω・` )「ほら、外を見てよ……もう陽は高いよ」

彡(-)(-)「そんなもん知らん。ワイは寝る」
(ꐦ^ω^)「……」

(`・ω・´)「くらえ!太陽の光!!」ピカー
彡;(-)(-)「ぐぬぬぬ……」

彡(-)(-)Zzz…

(ꐦ^ω^).。oO(この甲斐性なしの無職のゴミが!)
もういい、こうなったら最後の手段だ

ε=ε=彡;(゚)(゚)⊂(;`・ω・´)「力強くだ!!」
130それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:38:01.25ID:idQXOWs+0
電車の中
彡(゚)(゚)「……」

(;´・ω・` ) .。oO(不機嫌そうに黙ってる……)
こんなんで旅行になるのかな……

ジーフェリング駅
(´^ω^`)「自然がいっぱいで気持ちいいね!」
彡(゚)(゚)「……」

( ;´-ω-` ) .。oO(どうしよう……まだ不機嫌みたいだ)

彡(゚)(゚)「いい景色や……」
彡(゚)(゚)「来てよかったわ」

(。゚ω゚)!
(´^ω^`)「うん!よかった!!」
131それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:38:22.54ID:idQXOWs+0
┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・`)┓三三3
それからボクたちは大自然の中を歩き回った

木々は花開き、ブドウ畑は新緑に覆われ、若葉が茂っていた
アドルフもウィーンの喧騒から解放され

彡(^)(^)(´^ω^`)
本当に喜んでいるようだ

彡(゚)(゚)「こうしとると……」
彡(-)(-)「リンツの頃を思い出すな……」

(´・ω・`)「なんだい、ホームシックになったのかい?」
彡(゚)(゚)「……そうかもしれんな」

こうして旅行初日は終わった
132それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:38:50.16ID:idQXOWs+0
二日目
彡(゚)(゚)「はえーこれがメルク修道院か……」
(´・ω・`)「すごいね……まるで、岩山から生えているみたい」

三時間後
彡(゚)(゚)「はえー」
( ;´-ω-` )「ねえ、そろそろ中に入ろうよ……」

彡(゚)(゚)「どうやったら、こんな断崖に修道院を建てれるんやろ」スタスタ

(。゚ω゚)「アドルフ、ダメだよ!」
(。゚ω゚)「危険だから立ち入り禁止って書いてあるじゃないか!!」

ε=ε=彡;(゚)(゚)⊂(;`・ω・´)「勝手にウロチョロしないの!!」

メルク修道院の中
彡(>)(<)「お!図書館があるやんけ!」
彡(゚)(゚)「ふむふむ……」

( ;´-ω-` )「旅行にきてまで読書ってどうなの……」
133それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:39:28.75ID:idQXOWs+0
三日目
彡(^)(^)「ひゃっほう!!」
(;´・ω・` )「アドルフ、はしゃぎすぎだよ…他のお客さんに迷惑だよ」

ボクたちは汽船に乗って、ドナウ川を下っていた
しばらくするとヴァッハウ渓谷にさしかかった
左側にヴァイテンエック城、右側にシェーンビュール城
さらに奥には険しい岩山の上にそびえるアックシュタイン城が見えた

彡;(゚)(゚)「スケッチが間に合わん!」
(´ᴖωᴖ`)「ははは、ホラホラ急いで!」
134それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:40:01.39ID:idQXOWs+0
渓谷を抜けるとシュピッツとヴァイセンキルヒェンの町が見え
急斜面に植えられたブドウ畑の牧歌的な景色が広がっていた

(´・ω・`)「すごいロマンチック……」
(´・ω・`)「アドルフ……この風景を絵にしてよ」

・・・

(´・ω・`) .。oO(あれ??)
反応がないと思ったら
どこにもいない……

(・ω・`;≡;´・ω・)「また…勝手にウロチョロして……」

(。゚ω゚)「あ!あんな所に!!」

アドルフは船首に立ち、景色に見とれていた

(;´・ω・` )「なにやってるの!危ないからはやくこっちに」
彡(゚)(゚)「I’m the king of the world!」

(´・ω・`)「なにそれ?」
彡(゚)(゚)「なんか知らんが……叫びたくなった……」
135それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:40:23.40ID:idQXOWs+0
それから船は東へと進路を変え工業地帯に入った
倉庫、製油所、資材置き場に粗末な小屋、放浪の民の集落もあった

(´・ω・`)「汚ったない所だな……」

(´・ω・`)「ボクたちの知るライン川とは思えないね」
彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`)「アドルフ?」
彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`) .。oO(どうしたんだろう?)
アドルフは黙ったまま物想いにふけっていた
136それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:41:01.91ID:idQXOWs+0
四日目
ボクたちは列車に乗って、山岳地帯に来た

(´・ω・`)「青い空、緑に輝く草原、雪をかぶった山々……」
(´・ω・`)「いい景色だね」

彡(゚)(゚)「さらに登ったら、もっとよく見えるんとちゃうか?」
(´・ω・`)「まあ、たしかに…そうだろうけど」

(´・ω・` )「登山の準備なんてしてきてないよ……」
彡(゚)(゚)「道はあるんやし、歩いていけばいいだけやろ」

彡(゚)(゚)「よし、いくで」
(。゚ω゚)「ちょっと、待ってよ!」
137それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:41:27.78ID:idQXOWs+0
┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・`; )┓三三3

ボクとアドルフはろくな準備もなく出発した
そしてしばらく行くと、頂上と思われる平地に到着した

彡(゚)(゚)「……」
(´・ω・`)「……」

(´・ω・`) .。oO(あまりの壮大な景色に言葉が出ない)
天国から見る地上ってこんな感じなんだろうな
人間がどれほど小さな存在かを、まざまざと見せつけられた気分だ

感激のあまり時間を忘れていた
すると太陽が黒雲に隠れ、霧が立ち昇り、雷雨が降り注いだ

急いで山道を下った
全身ずぶ濡れ、靴の中まで水浸し、冷たい風も吹いてきて
ボクはあまりの寒さに震えた
でも、どういう訳かアドルフは上機嫌だった

┗(^)(^)川┓┗:(´ºωº`):┓三3

(。゚ω゚)「あそこに小屋がある!」
(;`・ω・´)「ひとまず避難だ!」
138それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:41:57.70ID:idQXOWs+0
小屋の中
(;´・ω・` )「止みそうにない、一晩ここに泊まるしかなさそうだ」
川(゚)(゚)「干し草と亜麻布があったで」

(;´・ω・` )「二人で寝るにはそれで十分だね……」
(* >ω<)、;'.・くちゅん

川(゚)(゚)「濡れたままやと風邪ひくで」
:(´ºωº`):「そ、そうだね」

ボクたちは服を脱ぎ、亜麻布にくるまり、干し草をベットにした

(´・ω・`) .。oO(一時はどうなるかと思ったけど……)
二人だけ、暗闇の中、雨音だけが聞こえる小屋の中は……
とても神秘的な世界だった
でも……
139それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:42:20.64ID:idQXOWs+0
(´・ω・`)「お腹が空いたね」グーギュルギュル
彡(゚)(゚)「せやな」グーギュルギュル

彡(-)(-)「……でも」
彡(゚)(゚)「苦しみも二人で分け合えば半分になるわ」

(´・ω・`)「これまでもそうだったよね……」

体も温まってきて、想いで話に花が咲いた

彡(゚)(゚)「クビチェク……」
(´・ω・`)「なんだい?」

彡(-)(-)「いや、なんでもないわ……」
(´・ω・`)「なんだよ……気になるじゃないか」

彡(-)(-)「なんや……その……」
彡(゚)(゚)「ありがとな……」

(´・ω・`)「旅行のお礼かい?」
(´・ω・`)「そんなのいいよ……ボクも楽しかったし」

(´・ω・`)「また来ようね」
彡(゚)(゚)「せやな……」

こうしてボクたちの旅行は幕を閉じた
140それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:42:52.64ID:idQXOWs+0
一九〇八年七月


(´・ω・`)「じゃあ、暫くの間お別れだね」
(´・ω・`)ゞ「ステファニーのこと、ちゃんと調べておくよ」

彡(゚)(゚)「いや、ステファニーのことは調べんでもええ」

(;´・ω・` )「え、なんで……?」
彡(^)(^)「兵役で大変なのにそんなことさせれんわ」

(;´・ω・` )……
この時、ボクはどことなく違和感を覚えた
しかし、それが何を意味しているかを気付くことはできなかった

彡(゚)(゚)「お前は優しすぎるからな」
彡(゚)(゚)「軍隊でいじめられんよう気をつけるんやで」

彡(-)(-)「特に、ユダヤ人にはな」

『都会には卑怯者しかいない 英雄が生まれるのは田舎だ
そして、田舎にユダヤ人はいない』

後にアドルフが残すことになる言葉だ
141それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:43:19.97ID:idQXOWs+0
彡(゚)(゚)「じゃあなクビツェク」

     ガシッ!
(´・ω・`)つ⊂(゚)(゚)ミ

アドルフは両手でボクの手をしっかり握りしめた

(´・ω・`) .。oO(あれ?)
アドルフは両手で握る握手を滅多にしない
なにか特別に感動を覚えたときぐらいにしかしないはずなのに
……たかだか数ヵ月の間いなくなるだけなのに大げさだよ

(´・ω・`)「うん、またね」

\( )ミ三三3
それからアドルフは回れ右して、一度も振り向かずに
少し早足で出口に向かった

(´・ω・`) .。oO(もう、少しは振り向いてくれてもいいのに……)
ま、アドルフらしいといえばらしいか

こうして、ボクはリンツへ帰郷した
142それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:44:03.73ID:idQXOWs+0
リンツ

(´・ω・`) ( ¯灬¯ ) (∗ 'ω' ∗)
両親は、ボクを快く迎えてくれた

久々の故郷はちっとも変わっていなかった
ドナウ川も、それに跨がる橋も、田舎の風景も
アドルフと歩いて回ったあの頃のままだ

(´・ω・`)「父さん、仕事を手伝うよ」
( ¯灬¯ )「すまないな」

(`・ω・´)「父さんは凄いよ たった一代でここまでの事業を築くなんて」
v( ¯灬¯ )「都会に染まらずにいい男に育ったな アドルフ君には感謝だ」

(´・ω・`) .。oO(アドルフはああ言ったけど)
どうせ後になって騒ぐんだからステファニーのことを調べておこう

(;´・ω・` ) .。oO(いないな…J(„❛⌄❛„))
一家全員ということは避暑にでも出掛けたのかな?
143それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:44:33.44ID:idQXOWs+0
それからもアドルフとは何回か手紙のやり取りをした
兵役検査でボクは結膜炎にかかっているとわかったので
これから眼鏡(⁻◎ω◎⁻)をかけることになるかもしれないと書いた

アドルフから返信が届いた

『親切な手紙をありがとう。
君が失明するかもしれないと聞いて、僕は悲しみでいっぱいだ。
君は今よりもますます楽譜を読み間違えることになるのだからね(笑)。
君が盲目になったら、僕もだんだんと消えてなくなっていくのだろうか。
おぉ、なんて悲しいことだ!
それはともかく親愛なるご両親によろしく。
アドルフ・ヒトラー彡(゚)(゚)』

(´・ω・`)「もう、手紙でもボクのことをからかって……」
(´・ω・`)「あれ?この手紙の受付印の日付……四月二十日になってる」

(´・ω・`) .。oO(しまった!)
この日はアドルフの誕生日だ
すっかり忘れてた

(´ᴖωᴖ`;) .。oO(まあ、いいよね)
アドルフも誕生日のことにはなにも触れてないし
もしかしたら本人も忘れてるんじゃないのかな
それに、ウィーンに戻ってからお祝いすればいいんだ
とりあえず、帰る日が決まったよとだけ返信しておこう
144それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:45:15.98ID:idQXOWs+0
十一月二十日
ウィーン駅

(´・ω・`) ざわ…ー(⚭-⚭(⚭-⚭( ⚭-⚭ )⚭-⚭)⚭-⚭) ---ざわ… ┃柱┃

あの柱の下が、待ち合わせの場所なんだ
人混みは相変わらずだけど もう慣れたよ

テクテク┏(´・ω・`)┛

(´^ω^`)「あ、いた!」
(´・ω・`)「お待たせ アドルフ!」

(# ゚Д゚)「は?誰だよお前!」

(。゚ω゚)!!
( ;´-ω-` )「ご、ごめんなさい 人違いです…」

(# ゚Д゚)「ったく………気安く声をかけんな!」

アドルフによく似た青年
と言っても服装と背丈だけだけど、は悪態をついて去っていった

(;´・ω・` ) .。oO(はぁ、ビックリした)
あれ…でも、アドルフはいない?
さてはまた遅くまで起きてて寝坊したんだな…

( ;´-ω-` )「全く 手紙には今日のこの時間だって書いたのに…」
仕方ない、柱にもたれながら待つか
145それでも動く名無し
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2023/07/15(土) 10:45:38.18ID:idQXOWs+0
五分後
 ┃柱┃
(´・ω・`) 

二十分後
 ┃柱┃
(´・ω・`) .。oO(……待合室にいるのかな?)

テクテク┏(´・ω・`)┛

(・ω・`;≡;´・ω・)
(´・ω・`)……

(´・ω・`) .。oO(戻ろう……)

┗(`・ω・´)┓テクテク

一時間後
 ┃柱┃
(;´・ω・` ) .。oO(おかしい…)
っていうかアドルフが時間を破るなんてありえない

(。゚ω゚)「まさか……病気!?」
そうだ、そうに違いない!
そういえば手紙にまた気管支カタルがぶり返してるって書いてた!
いそいで借家に行こう!

ε三三┏(;´・ω・` )┛
146それでも動く名無し
垢版 |
2023/07/15(土) 10:46:09.19ID:idQXOWs+0
借家
ガチャガチャ

(;´・ω・` )「あれ?鍵が閉まってる」
(;´・ω・` )っ「おーいアドルフ ボクだよ 開けてよ」ドンドン

(・∞・)「なんだい騒がしいね!」
Σ(・∞・)「あれ?クビチェク君じゃない」

(´ᴖωᴖ`;)「お久しぶりです すみませんちょっと鍵がかかってて…」

大家のツァクライス婦人は不思議そうな顔をしてる

(・∞・)「鍵がかかってるって当たり前じゃない…」
(・∞・)「だってその部屋は空き部屋ですもの」

(;´・ω・` )「え?何を言ってるんですか…」
(;`・ω・´)「ここはボクとアドルフの部屋ですよ!」

(;・∞・)「……もしかして何も知らないのかい?」
(;´・ω・` )「え?」
147それでも動く名無し
垢版 |
2023/07/15(土) 10:46:36.15ID:idQXOWs+0
(;・∞・)(´・ω・`; )
ツァクライス婦人から次の三つのことを告げられた
アドルフは家賃を払うと姿を消したこと
別れの挨拶も何もなかったこと
手紙やメモも何も残さなかったこと

( ;´-ω-` ) .。oO(アドルフ…)
一体何があったんだ……
……

(`・ω・´) .。oO(そうだ!)
そもそもあの部屋はボクがピアノを弾くために借りたんだ
きっとアドルフは一人であの広い部屋を持て余したんだ
だから引っ越したんだ!
アドルフはせっかちで抜けている所があるから
いろいろ無作法なことをして……
……

(´・ω・`) .。oO(……アドルフがそんなことをする?)

急いで部屋を借り
知りうる限りの知人、考えられる限りの関係者のもとに走った
そしてボクの住所を教えた
アドルフを見かけたら知らせて欲しい、伝えて欲しいと言伝をして

しかし、一週間たっても、二週間たっても
なんの音沙汰もなかった……
148それでも動く名無し
垢版 |
2023/07/15(土) 10:47:16.98ID:idQXOWs+0
(´-ω-`) .。oO(そして一年がたった)
アドルフを貧民街で見たと目撃証言はあったけど、いなかった
もしかしたら兵役を逃れるためにドイツに行ったのかもしれないけど
確かめようがない……

(´・ω・`)……
149それでも動く名無し
垢版 |
2023/07/15(土) 10:47:41.49ID:idQXOWs+0
(´・ω・`) .。oO(確かにアドルフは……)
口は悪いし、急に怒るし、仕事はしないし、外面だけはいいし、束縛するし
どこでもうろうろするし、突然演説を始めるし、色々と連れ回されるし
自分勝手だし、犯罪の片棒を担がせようとするし、誰にでも喧嘩は売るし
民族主義者だし、妄想癖がすごいし、唯我独尊だし、嫉妬深いし
気狂いだし、夢想家だし、すぐ反論してくるし、甲斐性なしだし
訳の分かんないことばかり言うし、頑固だし、我がままだし
読みたくもない本を読まされるし、自分だけモテてムカつくし
そのくせガードは堅いし、何も言わずどこかに行ってしまう

( ;´-ω-` ) .。oO(自分で言っててなんだけど……)
本当にひどい同居人だ……
こんな同居人なら、いない方がいいのかもしれない……

(;´・ω・` ) .。oO(でも、それじゃ駄目なんだ……)
アドルフがいなければボクの人生は平凡で退屈そのもの……
どんなにステキで優雅な芸術に触れても
一人だけじゃ感想を語り合うこともできない…

(´・ω・`) .。oO(楽しさも半減だ……)
150それでも動く名無し
垢版 |
2023/07/15(土) 10:48:09.35ID:idQXOWs+0
わが友ヒトラー ウィーン編 完
151それでも動く名無し
垢版 |
2023/07/15(土) 10:50:11.33ID:RGc5juAd0
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