福岡県警は14日、交通違反の取り締まりで虚偽の書類を作成していたとして、柳川署地域課の男性警部補(57)を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で福岡地検に書類送検し、停職6か月の懲戒処分にしたと発表した。警部補は同日付で依願退職した。

発表によると、警部補は2021年8月~今年2月、信号無視や横断歩行者妨害の計10件の交通違反で、虚偽の現場見取り図を作成して交通反則切符に添付して提出した疑い。「違反を多く検挙して仕事が出来ると思われたかった」と容疑を認めているという。

県警は警部補が摘発した交通違反のうち、記録が残る17年4月以降の約1600件について「適正な取り締まりかどうか確認できなかった」として、違反点数の取り消しや交通反則金など計約1500万円の返還手続きを進める。

 警察官が現場で違反行為を十分に確認できなかった場合、相手が認めても指導や警告にとどまるが、警部補は違反を目撃した位置を偽った現場見取り図を作成し、違反として処理していた。別の署員が2月、取り締まりの状況に疑問を感じ、パトカーのドライブレコーダーを確認したところ、見取り図と異なっていたことから発覚した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230715-OYT1T50103/