◇15日 西武1-0日本ハム(ベルーナドーム)
 何かに取りつかれているかのようだ。9回、西武・中村の打球が日本ハムの中堅・浅間の頭上を越え、「7試合連続1点差負け」のプロ野球ワースト記録が誕生した。新庄剛志監督は「思い出になればいいよね。そういう記録もつくったよねって」。未来へ思いをはせたくなるほどの、不可思議なレア記録だ。
 チャンスでの弱さは相変わらず。5回1死二、三塁では清宮と万波が平凡な飛球で凡退した。新庄監督は「一本、出ませんな~。チャンスのときこそ力を抜いて、狙い球を絞って。重圧に強くならないと、強いチームはできない」とぼやく。
 1点差負けが続く要因が、7試合で14得点の打線にあるのは明らか。八木打撃コーチは西武先発のサブマリン与座を攻略しようと、試合前にピンポン球を打つ練習を取り入れたが、それでも結果が出ない。八木コーチは「チャンスで打てないのは、もうずっとやん。実力をつけるしかないってことやな」と悔しさをにじませた。
 新庄政権下ではワーストタイとなる泥沼の8連敗で、最下位西武が0・5ゲーム差に迫ってきた。新庄監督は「こういう僅差の戦いはなかなかできない。この緊張感がプラスになる」と強調。珍記録が「思い出」に変わる日がくると、信じている。

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