激しいかゆみを引き起こす「アトピー性皮膚炎」。これまでかゆみの原因はよくわかっていませんでしたが、佐賀大や富山大の研究チームは原因の一つを突き止め、かゆみを抑える薬となり得る化合物を発見しました。現在は民間企業と共同で新薬を開発中です。国内では20歳以下の約10%が罹患(りかん)していると言われ、実用化への期待が高まっています。 (小沢慧一)
 発見をしたのは、佐賀大の出原賢治教授らの研究チームで、今年一月に生命科学分野の国際学術誌に掲載されました。
◆鍵と鍵穴

出原教授は、かゆみのメカニズムを鍵と鍵穴に例え、解説します。「かゆみを引き起こすのは『ペリオスチン』というタンパク質で、いわばかゆみの鍵となる分子です。これが神経細胞の上にある『インテグリン』という鍵穴となる分子と結合すると、知覚神経を刺激し、脳に『かゆい』という信号を送ります」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/263506