0001それでも動く名無し
2023/07/20(木) 02:55:43.06ID:1XBTJTuh0鬱々とした背中を追う
古びたベンチが一つ
あなたが腰を掛け、こちらをみた
「木が雨のようですね」
僕はついに恐ろしくなって逃げ出した
黒々とした尾根の輪郭を肖像する灰色の夕方
稀に散らばる瓦礫の一つに僕の体勢は崩れた
ふと目の前通行する黒猫
わをうる
わをうる
憎らしい、憎らしい 憎らしい
その声に僕は石を思い切り猫にぶった
強く握りしめた石と手から滴った血
こっからの展開は思いつかんかった
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