「育成のホークス」―。4年連続日本一を達成したソフトバンクが突出している点だ。今回のシリーズでは第1、2戦に先発した千賀、石川と甲斐のバッテリーを筆頭に周東、牧原がレギュラー格として活躍した。背景には“王イズム”に基づいたドラフト指名、育成方針があった。

 ドラフト指名で特徴的なのは、周東のように“一芸”に秀でた選手が多いこと。「王会長も『めちゃくちゃ飛ばす、球や足が速い選手を取れと。70点の平均の選手よりはそっちの方が面白い』と言われます」と、永井智浩編成育成本部長(45)。「うちのスカウトは一番」と王会長からの信頼も厚いことも、思い切った指名に踏み切れる要因だ。