山田 このカード2試合はリリーフ陣の質の差が如実に表れた。阪神が崩したというより、巨人が崩れていった一戦だった。巨人はもはやリリーフになっていない。今年は大城卓がキャッチャーとして成長しているが、それにリリーフ陣が応えられない。大城卓もリードがしたいけど、そこに投げられない。

 阪神は2点ビハインドを6、7回の攻撃で逆転に成功した。巨人2番手以降の船迫、大江、菊地、高梨に付け入ることができた。阪神は1点をリードされている7回につぎ込んだ桐敷が、ピンチに陥りながら、最後は3番秋広をインハイのツーシームで空振り三振にとって切り抜けた。

 山田 負けているシチュエーションでリリーフした桐敷にしても、あそこで秋広にインコースにいくのはやりたいと思っても、なかなかできない。おそらく阪神の梅野、坂本は、先発ピッチャーより、リリーフの方がリードがしやすいのではないだろうか。なぜ? それは力があるからだ。結局は勝ちがついた桐敷にも言えることだが、リリーフが抑えることで“流れ”をたぐり寄せている。

 週末には甲子園での広島との直接対決を迎える。好調を持続する広島だが、カード別で負け越しているのは阪神が唯一だ。

 山田 巨人はしんどくなってきている。ここにきてリリーフを整備するのは難しいからだ。DeNAもガタガタきている。現状でそこが安定しているのは、阪神と広島。ここからは“勝ち方”より、“型”にこだわらず、とにかく勝ちを拾っていくことだ。そういう時期に入った。