広島市で、夏休みのプール開放を見合わせる市立小学校が増えている。今季は全141校のうち開放するのは17校と1割強にとどまる。プール監視員の確保が難しいことが要因となっている。

【画像】授業を民間プールに委ねる小学校

 授業のない夏休みに児童たちに遊泳や水遊びを楽しんでもらうプール開放は新型コロナウイルス禍の2020、21年は、水泳の授業中止に合わせて全校で実施しなかった。コロナによる制限がなくなった今季も9割近くの124校が見合わせを決めた。市の聞き取りでは、監視員が集まらないことを理由に挙げる学校が多いという。

 市の規定では、プール開放は2人の有償監視員と、受け付けや監視補助を担うボランティア5人が必要。市はホームページで有償監視員を募集しているがほとんど集まらず、「命を預かる責任の重さと暑さから敬遠する人が増えているようだ」と推測する。担い手だった大学生の夏季休暇入りが、以前より遅い8月上旬ごろになっているのも一因とみられる。

 さらに、プール開放は、気象庁などによる「熱中症警戒アラート」の暑さ指数が一定数値以上になると児童の安全確保のため中止になる。せっかく準備しても実施できない日が増えていることもプール開放中止拡大の背景にある。

 南区の翠町小は4年連続で開放を見合わせた。坊田裕紀子校長は「監視員が見つからないことに加え、ボランティアの保護者たちの負担も大きい」と打ち明ける。

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