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 訪日客らへの免税販売をめぐり、阪急阪神百貨店(本店・大阪市北区)が、2022年3月期までの3年間に消費税の申告漏れを大阪国税局から指摘されていたことが分かった。免税にならない転売目的の購入が複数あったとみられる。追徴税額は過少申告加算税を含む約2億円で、指摘を受けた同百貨店は修正申告し、全額納付している。

 消費税は日本国内での消費にかかるため、訪日の観光客らが商品を国外に持ち帰る場合、免税での購入が認められている。認められる要件として、転売目的でないことや「来日から6カ月未満」などがある。

 関係者によると、大阪国税局の税務調査を受けた際、複数の店舗で、来日から6カ月以上経過した免税対象外の外国人に販売するなど、免税要件を満たさない取引が見つかった。中国人らが化粧品などを大量購入し、転売目的が疑われる不審な取引もあったという。

 店側は購入客のパスポート番号などのチェックをしていたが、確認が不十分だったとみられる。

 同百貨店などによると、大阪府、兵庫県、福岡県、東京都などに15店舗を持つ同百貨店の免税売上高は、2020年3月までの19年度で約369億円、コロナ禍で訪日客が減少した20年度で約45億円、21年度で約79億円。そのうち、約20億円が免税要件を満たしていないと指摘された。

 阪急阪神百貨店は取材に対し、「国税局の指摘を受けたことを真摯(しんし)に受け止め、再発防止に取り組んでいく」と回答した。

 免税販売をめぐっては米アップルの日本法人「アップルジャパン」や、大手百貨店の大丸松坂屋、そごう・西武、小田急百貨店、松屋(いずれも本社・本店は東京)も、免税要件を満たさない取引があったとして、国税当局から消費税の申告漏れが指摘されている。