DeNAトレバ−・バウアー投手(32)が球場をどよめかせた。

 延長10回、当然ようにマウンドに歩みを進めたからだ。9回まで3安打無失点で110球。先発の外国人投手が延長イニングまで投げるのは10年ペン(ロッテ)以来。バウアーは大学時代以来だった。
安打と敬遠で2死一、二塁のピンチも、この日最速タイの154キロ直球で押した。最終123球目は153キロで左飛に打ち取った。両親が見つめるスタンドに両手を上げて、ベンチへ戻った。

 援護点がなくても、できる仕事は遂行した。
「最後まで投げたかった。負けるが嫌いだから。試合が決まる前に降りたくない。疲れたように見えたかい? 154キロが出たように10回はアドレナリンが出ていた。今夜は寝られないじゃないかな。相手投手もいい投球だったけど、勝たないといけなかった」