パヨクが反対してきたハコモノ東京を救ってしまう

「東京都東部には、低い土地に何本も大河川が流れています。しかし、上流にダム、中流には調節池や遊水地、下流にも放水路など、幾重にも対策がとられているんです」(土屋氏)


 そのひとつが、2009年、“ハコモノ” と揶揄され、民主党政権時代に無駄な公共事業の象徴として批判を浴び、事業中止で注目を集めた「八ッ場ダム」だ。

「江戸川上流の八ッ場ダムは、完成直後で、試験湛水を始めたところでした。台風上陸後には、ほぼ満水になり、約1億トンの雨水をここで受け止められた。

 しかし、もし本格運用が始まり、水がすでにためられていたら、今回の雨量を受け止めることはできなかった。幸運だったといえます」(同前)

 さらに、建築マニアからは “地下神殿” と呼ばれる「首都外郭放水路」も活躍していた。埼玉県春日部市などを走る国道16号線の直下約50mの深さに設けられた放水路で、
利根川水系の中小河川の水を、江戸川に放水するための施設だ。地下放水路としては世界最大級の規模を誇る。

「放水路は5つの川から水を取り込めますが、今回すべて同時に取り込んだのは稀な状況です」(江戸川河川事務所)

“地下神殿” が10月12日から15日にかけて江戸川に排出した水は、50mプール約8000杯ぶん、東京ドームなら約9杯ぶんという途方もない量だ。

 東京都内でも、「神田川・環状七号線地下調整池」が威力を発揮していた。

「台風直撃後は49万トン、最大貯留量の9割まで水がたまった」(東京都第三建設事務所)というから、ぎりぎりの攻防だったのだ。

 日本列島を襲った台風19号は、死者80人以上、全国60以上の河川で堤防を決壊させる甚大な被害をもたらした。
「税金の無駄」と揶揄された「巨大ハコモノ」たちは、たしかに首都圏の破滅を防いだ。


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