「空飛ぶクルマ」の開発に取り組んでいる徳島大の山中建二助教が9日、有人で浮上する実験に初めて挑み、成功した。山中さんが試作機に自ら乗ってコントローラーで制御し、高さ約30センチまで浮上。滞空時間は6秒間だった。山中さんは「人が乗って飛べることが実証できた。大きな一歩だ」と意気込んでいる。

 空飛ぶクルマは各国で実用化目前だが、すべてヘリコプター型で自走しない。山中さんが目指すのは電気を動力に普段は地上を走り、必要に応じて空を飛ぶスタイルで、世界で他に例がない。車底部の大きなメインプロペラ2個で浮上。タイヤが水平に倒れ、はめ込まれた4個の小さなプロペラで姿勢を制御する。前傾姿勢をとると前に進む。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場する米車デロリアンを改造したタイムマシンとそっくりだ。

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