ハワイのマウイ島山火事、53人の死亡確認−1000人程度が行方不明

米ハワイ州マウイ島で発生した山火事で、10日時点で53人の死亡が確認された。消防は80%の消火を報告したが、地元警察幹部は多くの人々が避難し、恐らく1000人程度が行方不明のままだとしている。

被災した町並みを視察したハワイ州のグリーン知事は、同州が経験した自然災害として過去最悪で、死者数は今後増える可能性があると警告した。
島西部に位置する観光地のラハイナは、レストランや店舗が立ち並ぶメインストリートのフロントストリートも含めて焼失。同知事は記者団に対し、事実上全ての建物の建て替えが必要になるだろうと語った。

一方、バイデン大統領は同日、同州への連邦支援を急ぐと述べ、被災した住民を迅速に支援すると表明した。
バイデン氏はユタ州ソルトレークシティーでのイベントで、「愛する人を失った人や自宅が被害を受けたり倒壊したりした人は誰でもすぐに支援を受けられる」と語った。

発言に先立ち大統領はこの日、ハワイ州に災害宣言を発出。今後、州・自治体の復旧活動について連邦資金拠出や追加支援が行われる。大統領はグリーン知事と現況について電話で話をしたと語り、必要な全ての連邦資産の動員を約束したと述べた。
遠方のハリケーンからの風にあおられた山火事はマウイ島の広域に広がった。数千人が退避を余儀なくされ、臨時避難所に移動した人もいる。約100人の消防士が消火活動に当たる一方、米沿岸警備隊はラハイナ沖合の海から14人を救助した。