0001それでも動く名無し
2023/08/13(日) 00:39:12.31ID:Zpvw6IoV0近年の研究では、若いマウスから老齢のマウスに血液を輸血することで、神経機能の向上、アルツハイマーなどの病気の進行の遅延といった効果があることが示されています。ならば、いっそのこと若いマウスとのあいだで常に血液を行き来させられるようにすれば、どのような効果がもたらされるのかと研究者は考えました。
2体の血管を繋ぐ処置は異時性並体結合と呼ばれるものでたとえばアルツハイマー病の発症に関する研究で使用されたりしています。そして、老マウスの側からみれば、この処置によって若いマウスの血液だけでなく肺、免疫系、心臓、肝臓と腎臓といった循環系全体をも拝借することが可能になります。
研究では、この措置を施したあと12週間をかけてその健康状態を観察しました。これはマウスの寿命における10%の長さにあたるとのこと。人間に例えるならば、50歳の人が18歳の人とペアを組み、血液循環系を8年にわたって共有したことに相当します。そして両マウスは元の状態に分離され、効果が持続するかも調べました。
その結果、まさに「若者の生き血」を享受する立場にあった老マウスは、つながっている間は明らかに他の同世代マウスより健康的でした。寿命延長効果に関して言えば、平均して6~9%の延命効果になりましたが、それよりも血液と肝臓組織において生物学的な年齢が劇的に低下し、遺伝子発現には、カロリー制限時に見られるようなアンチエイジングのパターンが現れたとのことです。
また分離後2か月の観察期間においても、老マウスは一部の若返り効果を(薄まりつつはあるものの)持続していたことがわかりました。一方、若いマウスのほうも老マウスから受け取った機能的な低下を抱えていたものの、分離後は短い期間でもとの状態に回復しました。
研究者らは、これらの効果を起こしているのがなんなのを突き止めていません。研究の筆頭著者であるジェームズ・ホワイト氏は、「それがタンパク質に寄るのか、代謝におけるなにかなのか、若いマウスからの細胞かなにかなのか」わからないとし、さらに「若いマウスが単純に老マウスからの血液における老化促進要素を中和しているのかも含めて、今後調べていきたい」と述べています。
https://www.techno-edge.net/article/2023/08/10/1735.html