札幌市の繁華街ススキノのホテルで男性(62)が殺害され、遺体が切断された事件で、無職田村瑠奈容疑者(29)ら親子3人の自宅=同市厚別区=から男性の運転免許証が押収された一方、スマートフォンが見つかっていないことが15日、捜査関係者への取材で分かった。瑠奈容疑者が破壊した疑いがあり、札幌・中央署捜査本部は経緯を調べている。

捜査関係者によると、男性と一緒にホテルに入室した瑠奈容疑者は男性を殺害後、室内で持ち込んだ工具を使いスマホを壊したとみられる。また男性を後ろ手に拘束し、後方から襲撃したとみられることも判明した。

捜査本部によると、親子宅からはほかに、男性が瑠奈容疑者と合流し、ホテルに入室した際に着ていたものと似た服や、男性の所有とみられる財布が見つかった。一方、客室には男性の所持品が残されていなかった。

ホテル周辺の防犯カメラには、1人で退出した瑠奈容疑者がリュックサックを背負い、スーツケースを引きながら歩く姿が写っていた。証拠隠滅のために持ち去り、その後に父で精神科医の修容疑者(59)が運転する車で逃走した疑いがある。

男性は北海道恵庭市の会社員。捜査本部は、7月1日深夜から2日未明にかけ、共謀して客室で男性の頭部を切断し、遺棄した疑いで24日に瑠奈、修両容疑者を、翌25日に母の浩子容疑者(60)を逮捕。8月14日、男性の首元付近をナイフのような刃物で複数回突き刺し、出血性ショックで死亡させた容疑で3人を再逮捕した。

男性の頭部は親子宅の浴室で発見された。(共同)

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